'99年発表。『ABANDON』リリース後のツアーで、オーストラリアはメルボルンでのライヴを収録したもの。2枚組。 曲目はやはり『LIVE AT THE OLYMPIA '96』と重複するものが多いが(どうしても外せない曲ってあるよね)、『ABANDON』収録曲が聴けることと、モーズのソロが収録されていることが売りである。 特筆すべきはモーズのソロで、「イントロでポン」(・・・何じゃそりゃ)というか、「人間イントロスロットマシーン」(ああ・・・。ますます訳がわからん)というか、かなり面白いソロが聴ける。ちなみに私はツェッペリンとビートルズ、それにキンクスしか判らなかった。まあ、要するにギャギャギャ・・・というリフを刻みながら、途中で有名なバンドの有名な曲の、有名なフレーズを挿入するというものなんだけれど、遊び心に溢れていて個人的には感心した次第である。もう、絶対にリッチ-ならやらない代物だ。 総合的に見てかなり聴き応えがあるアルバムだし、音質も『~OLIMPIA'96』より良い様な気がする。ただ、あえて難点を挙げると、ギランがかなり高音を苦しげに歌っていることだ。気にしなければそんなに気にならないが、とにかく高音が出ない。誤魔化しながら歌っている姿は少し痛々しい。それでも、声の状態はかなり良かったほうだったのだろう。本当に駄目な時は全然駄目らしいから。
私はこのアルバムを当地オーストラリアで買いました。CDケースを見て「ブートかなぁ」と思いながらレジに持って行くと、店員が裏の棚から、まるでレンタルCDのように2枚の銀盤をひょいと取り出し、ケースをぱかっと開けてポンポンッとセットしてくれました。 内容といえば"Abandon"発表後ということもあり、Steveが大分バンドに馴染んでいる風に感じられ伸びやかにプレイする姿が印象的。特に同内容のDVDを見ても分かりますが、ステージ上の自然なインタープレイが伝わってきます。オリジナルに勝るとも劣らない叙情たっぷりのギターが鳴りひびく"Sometimes I feel like Screamin'"、このために買っても惜しくないアルバムかと思います。