1982年10月13日、Casablanca Recordsよりリリースされた10thアルバム。
デビュー以来在籍してきたCasablanca Recordsでの最後の作品になった。
バブルガム・ポップとも言える『Unmasked』(1980年)や、Kiss初のコンセプト・アルバム『Music from "The Elder"』(1981年)のセールス不振、相次ぐオリジナル・メンバーの脱退などから迷走状態に陥っていたKissが大胆なヘヴィメタル路線に方向転換してリリースした作品。
1982年にアメリカ以外でリリースされた変則ベスト盤『Kiss Killers』(新曲と既発曲の混成アルバム)で、新曲部分のプロデュースを手がけたMichael James Jacksonをプロデューサーに迎え、Michael James Jackson、Paul Stanley、Gene Simmonsとの共同プロデュースという形で制作された。
発表当初は、陰鬱な楽曲群と耳を突ん裂かんばかりの轟音に評価は分かれ、チャートアクションも最高45位と決して大ヒットとは言えなかった。しかし、次作『Lick It Up』での「メーク落とし」で復活し、80年代のヘヴィメタル路線が結果的に大成功を収めたこと、タイトル・ナンバーのほか「I Love It Loud」、「War Machine」等、その後の重要なステージ・レパートリーとなる曲を収録していたこともあり、現在では一定の評価を得ている作品である。1994年5月9日、発表から実に12年近くの歳月を経てゴールドディスクを獲得。
オリジナル・メンバーのAce Frehleyは事実上グループを脱退しており、本作のレコーディングには参加していない。Aceの不在を埋めるべく外部ミュージシャンを積極的に起用し、後に正式メンバーとなるVinnie Vincent、『Alive II』のレコーディングにも参加経験のあるBob Kulickらがギターで参加している(Aceは、契約上この後もしばらくPVやテレビ番組には出演)。Ace脱退の副産物として、Kiss史上はじめてGene、Paulの2人だけでリード・ヴォーカルを担当した作品となった(従来はAce、Peterのいずれか、もしくは両方の歌う曲が必ず1曲は収められていた)。
Recorded:July – September 1982 at The Record Plant Studios, Los Angeles, CA
Producer:Michael James Jackson, Paul Stanley, Gene Simmons