方向的にはあのAT THE GATESの“Slaughter~"をよりスラッシーに、より速くしたような、彼らの最後の作品。 チューニングが違うせいか?本家ほど重さは感じられないのだけど、こちらのほうがメロディアスです。またボーカルもトーマス似の渇いたデス声で好感がもてました。 ただ上の方がおっしゃるように、音質はへっぽこですので、なるべくいいオーディオ機器で聴いてください(笑
数年前、引越しに伴う金欠とCDの収納スペース不足から、メロデス系の作品の大半を手放してしまったのだが、 SADISTの『ABOVE THE LIGHT』とかEBONY TEARSの『眠れぬ夜の物語』とか、大のお気に入りだったために 売っ払う事が出来ず手元に残した作品も幾つかあって、GATES OF ISHTARが'98年にリリースした、 ファンの間では彼らの最高傑作と評価の高いこの3rdアルバムも、そうした作品の1つだった。 DRUM GODこと、名手オスカー・カールソンの切れ味鋭いドラミングに牽引される形で、強力なフックを備えたGリフと 悲哀に満ちたメロディが、デス/スラッシュ・メタリックなアグレッションを撒き散らしながら激走する楽曲の数々は、 全9曲、荘厳且つドラマティックなインスト曲⑨を除くほぼ全編が、タイトなスピード・ナンバーで固められ、 上で別の方々が仰られている通り、確かにその作風はAT THE GATESの名盤『SLAUGHTER OF THE HOUSE』を彷彿とさせる仕上がり。 とにかく光っているのがオスカーの求心力溢れるドラミングで、ただ手数が多いだけでなく、頭よりも体に強烈に訴えかけてくる (デス・メタルよりもスラッシュ・メタル寄りな)キャッチーなリズムの組み立ての上手さが堪らなく気持ち良い。 中でも本編前半のハイテンションな飛ばし具合、殊に鬼のようなバスドラの刻みっぷりが痛快極まりない④は、本作を代表する名曲でしょう。 安っぽいGの音色とか、バランスの悪い音作りがイマイチなれど、メロデス・ファンのみならず、 スラッシュ・メタル・ファンにも自信を持ってお薦めできる力作。