2000年7月26日、BMGファンハウスよりリリースされた8thアルバム。
タイトルの由来は8枚目のオリジナルアルバムであることと、「SPRING TOUR」から続くテーマである「蜂」とのダブルミーニング。
113本に及んだ「PUNCHDRUNKARD TOUR」とそれに伴う休養期間の後、バンド史上初めて外部のプロデューサーを起用して制作されたコラボレーションシングル3作、「SPRING TOUR」、吉井和哉のセルフプロデュースシングル『パール』を経てイエローモンキーのサウンドは変貌を遂げるが、これには否定的なファンもいた。
楽曲のレコーディングのためにロンドンへ向かった際、当時メンバーが多忙だったこともあり、スタジオに吉井一人しかいないという状況が続く。メンバーとの温度差を感じ始めた吉井が帰国後、事務所に社長含む関係者を集め「俺をクビにしてくれ」と頼み込み、バンドへの不満を投げかけた。バンドは存続したが、「微妙な距離感が生まれた」と吉井は語っている。ただし、後に菊地英昭は、「俺をクビにしてくれ」という発言の直後に廣瀬洋一からの突っ込みが入り、雰囲気は決して暗くはなかったと語っている。
アルバム制作当初、吉井は「コラボレーションシリーズで曲が10曲たまったら、もう2、3曲入れてアルバムを出したい」と考えていた。しかし、廣瀬洋一は「それはファンに申し訳ない。最低でも新曲が6曲、聴いたことがない曲が半分は欲しい」という要望をした。結果的にアルバムには7曲の新曲が収録され、14曲中の半分が新曲となった。メジャーデビュー以降欠かさず収録されていた菊地英昭や廣瀬の作曲作品は収録されていない。
吉井は本作について、「テーマやコンセプトは特にない」としており、廣瀬は「この一年の試行錯誤をしつつできたものを綺麗に整えて出したというよりは、やってきた軌跡をそのまま出した部分が強い。ドキュメント性が強いアルバム」と語っている。ジャケットはデザイナーが何気なく持ってきた少年の写真である。吉井は「アルバムとは関係ないが、それが象徴していて1つの生命体みたいな感じ」と語っている。
『初回限定盤 Bonus CD』として「MY WINDING ROAD」「SO YOUNG」の2曲が収録されている。この2曲がアルバムの初回盤のみという形になったのは、「第一期THE YELLOW MONKEY最後の曲」という意向から、本来「第二期のスタート」となるはずであった本作には入ってはいけない、ということから。これらの楽曲はブックレットにもジャケットにもタイトルや歌詞が記載されていない。2曲共に今作収録にあたってリマスタリングが施されている。
Recorded:September 1999 - June 2000
Producer:吉井和哉