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SLAVE TO THE THRILL (1990年)
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SLAVE TO THE THRILL
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解説 - SLAVE TO THE THRILL
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コメント・評価

Recent 50 Comments



1. うなぎ ★★ (2003-01-21 15:04:00)

1st、2ndに比べりゃまだ手に入りやすいかな。90年の3rd。
名プロデューサーとギターにダグ・アルドリッジを迎え、"さぁ、世界視野でGO!"
みたいな意気込みだったようですが、バックグラウンドではドタバタ劇があったようで、
それが作品に反映してしまったのか、不運にも酷評を受けた作品。
ま、それでも"前向き"な姿勢を買おうじゃないか、とりあえず。
楽曲は前作までのコンパクトな硬派さが無くなって散漫さが増。
"淵から溢れちゃった水"みたいな(笑)印象です。"世界狙い"だからでしょうかね。
BON JOVIやらEUROPEみたいな路線にしたい!と思ったんでしょうか。
新たなパターンの楽曲で、新たな側面と可能性を見たかったんだ、みたいな。
でも器用じゃないのか、さほど側面や可能性は残念ながら伺えません(笑)。
ま、次が当面リリースなかったことからも解りますが(笑)。
ダグ、弾きまくっています。"任された空間とことん埋め尽くしたる!"くらいに。
ですが、どうも要所要所がジョージ・リンチ(笑)。だからか"DOKKEN?"な曲もあったり。
聴くポイントはここだっ! しかし、この作品のみでバンドを評価することなかれ・・・。



2. m.c.A.K. ★★ (2003-02-28 17:36:00)

前任GのR.サーゾが荒い音色&クセのあるピッキングスタイルだっただけに、ダグの華麗でスムーズなプレイにはかなり違和感があったなぁ。ホントに上手いんだけどね(かといって強烈な印象も無い)。ケリーの声&歌唱力で「ああHURRICANEの作品だな・・・」と認識できる感じ。楽曲もなかなかキャッチーでメロディアスでLAメタル風ありブルーズ調ありと趣向を凝らしてるんだけど、これまた決定打に欠ける・・・あれ?全然オススメになってませんね。悪くはないんですよ、本当に。
前作までの硬派でちょっと影のあるサウンドに伸びやかなVoが乗る感じが好きだったんで。
ダグのプレイという点においてはDIOの新作(KILLNG THE DRAGON)よりかは楽しめるかな~と・・・。




3. けんしょー ★★ (2004-04-07 13:27:00)

ジャケットからして、今までのHURRICANEじゃないな・・・という不安が見事に的中してしまう作品。
内容は、いわゆるひとつの「凡庸」か。
悪くはないんだけど、そこまで。
特に印象に残る曲もなく、普通のバンドになってしまいましたね。
散漫な印象も。残念・・・。




4. 火薬バカ一代 ★★ (2016-08-28 22:56:32)

初めて目にした時は「ギーガー謹製か?」と思ってしまった強烈なアートワーク(機械に犯されそうになっている全裸の女性)が物議を醸した'90年発表の2ndアルバム。シーンの潮目の変化を察知し、よりアグレッシブな方向へ進むために、ポップ志向の持ち主だったロバート・サーゾと袂を分かち――実際はマネージメント主導の解雇劇だったとのキャプテン和田情報あり――その後任ギタリストに、元LIONのダグ・アルドリッチを加えたラインナップでレコーディングされています。
いかにもアメリカンなノリの良さで攻めて来る豪快なロックンロールと、ドラマティック且つメロディアスなプログレ・ハードというの二路線構成が取られた好盤に仕上がっていた前作『OVER THE EDGE』(’88年)に比べると、吹けよ風、呼べよ嵐状態(まさしくハリケーン)なSEから幕が上がる今回は、明らかに前者に比重が偏っていて「あいやー、そっちへ進んじゃいましたか」と。
無論、ダグ・アルドリッチのフラッシーなGプレイ、ケリー・ハンセンのエモーショナルな歌唱(流石、現FOREINER)をフィーチュアした楽曲の質は低くありません。しかしながら、“失われた愛の夢”なる邦題を冠されたバラード⑤、哀愁のHRナンバー⑥、ブルージーな味わいを有する⑦といった、本編中盤に並ぶメロディアスな楽曲が魅力的なだけに、HURRICANEには是非ともこっち方面へ進んで欲しかったなぁ…と、今更詮無いことを考えてしまうわけです。




5. 名無し (2016-12-12 00:32:53)

昔から思ってたんですけど、ダグは上手いけどなんの特徴もない気がします。色々なバンドで弾いてますけど、残らないと言うか…。
もったいない。



6. 聖なる守護神 (2017-03-10 16:27:48)

"例のマーク・エドワーズのベネフィット!?"の事もあって何故かこのバンドが悪者のように扱われてしまったのは不運の何物でもないが、前作は硬派なアメリカンメロディアスハードの名盤だったのに比べると、本作は駄作の何物でもない...ダグのプレイだのがどうだとかいったってこの手のバンドの生命線は間違いなく楽曲の良し悪しな訳で...そのダグもコンポーズ力はなかった訳だから...ね。

個人的には美麗ジャケ以外に取り柄が無いとアルバムと思えるが。




7. 失恋船長 ★★★ (2024-07-17 04:05:29)

このバンド、最初から日本では人気の出ない運命に魅入られていた。デビュー作は大野さんに、買うか買わないか迷う点数を付けたとレビューされ、次のアルバムは名物編集長に見つかり、そして再リリースされたEPはイマイチと酷評、そして、確か今作は増田さんだったかな?並と論じられる始末。極めつけは多分、藤木さんがダグのギターソロに対してスケールを追いかけるだけで好きになれないと、評価された過去があり、そういう複合技がもう決め手となった印象が強い。
今作がリリースされた当時、鼻息荒く文句をいうヤツが沢山いました。あれは一体なんだろうかと思い出すますね。

サウンド的には豪快なアメリカンロック路線に舵を切りました。前作にあった複雑な絡み、リズムもギターも、ストレートに打ち出すことはなく、拘りのアレンジとメロセンスで魅了、一曲の中に展開を設け一筋縄ではいかない印象を与えたが、今作は、無駄な装飾を取り外し、とにかく豪快でワイルドなアメリカンロック路線へと向かいました。
ホワイトスネイクのサーペンスアルバムみたいなヘヴィロック路線なんですよね、向こうはイギリス、こっちはアメリカ。その違いはありますが狙いは一緒、ギタリストとしてもダグ・アルドリッチがジョン・サイクスと比較して大きく劣ることもないし、今作で聴けるケリー・ハンセンのパフォーマンスはカヴァーデイルと比較しても遜色なし、もし負けたというのなら知名度くらいだろう。

曲に合わせ怒りを解き放ちロック然としたシャウトをかましたかと思えば、シットリと追いかけるエモーショナルヴォイス。なにより、どんな楽曲にも負けないパワーを持ちながら、変化自在にコントロール。彼の歌の上手さは批評家から酷評されたEP時代から突出していた。ジョー・リン・ターナーを溺愛する批評家がいたように、もし著名な批評家がケリー・ハンセンを激押ししていたら、今日の評価も変わったろう。もっとツッコんで言えば、今作&バンドの評価も違うはずだ。

パワフルなメジャーヘヴィロック①は大物フランク・ターナー・シムズのペンによるもの、ケリーは見事に期待に応えた。
キャッチーでパワフルなメロディックメタルの③、狙いすぎだが泣かせのバラード⑤、そしてハイライトとも言える繊細さとダイナミズムの対比が見事な⑥と、ケリー・ハンセンのハイパフォーマンスを堪能出来る楽曲がしっかりと揃っている。

売れたのは、ナーナナナナーのコーラスが良くも悪くも印象的なI'm On To Youのシングル効果&1988年という時代背景がある前作だが、欧米では、今作の方が支持されているというのが皮肉だ。確かに日本人は大陸的なグルーブよりも、情緒のあるメロディを好むので、⑦みたいな曲は単調に聞こえるのだが、⑨以降も手を替え品を替えアメリカンなサウンドと展開している。

方向性は変わったが前作を比較しても遜色のないクオリティを保持。サーペンスアルバムみたいなヘヴィロック路線が好きな人にはたまらんだろう。むしろ、ケリー・ハンセンの憂いのあるパワーヴォイスとダグ・アルドリッチの組み合わせはLIONでは、叶えられなかった夢を掴む可能性を感じさせるだけに、LIONファンが聴いても大いに楽しめるだろう。

個人的にはサーペンスアルバムは凄いアルバムだが、ホワイトスネイクらしくないと思っているので、今作がハリケーンらしくないという意見は理解できるが、良し悪しならば、質の高いアルバムであると断言できる。前作は画期的だったが、今作は王道を貫いた。外部ソングライターの手を借りたのも、①のようなドライブするメロディックメタルをやるためならば成功だろう。

このバンドは、ある意味、真摯に音を作っている。プロデューサーの意向を汲み取り器用に立ち回っている印象が強い。だが、彼らは安直なL.Aメタルとは一線を画す本格派のバンドである。技術的にも一流、それでなければ、この手のサウンドは二番煎じが強くなり、味が渋くて飲めたもんじゃない。レーベルに振り回された格好なんだろうが、ケリー・ハンセンの凄さが際立ったアルバムである。

改めて歌の上手さを再確認させられた。器用すぎたんだよね。なんでも出来るから、形を変えられる。要望に応え売れなかったら捨てられる。当時の音楽シーンがもたらした深刻な問題を想起させる一枚。
当時の批評におけるバイアスが掛らない世代や知らん人には大いに勧めたいですね。豪快なアメリカンロックが好きな人には①②③の流れは完璧でしょう。青空の下、大音量で聴きたくなりますよね。

今作はそういう方向性に舵をきった一枚。普遍性を追求して可能性を広げたことになります。



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