GREAT WHITEのフロントマンとして、現在もその看板を守り続けるジャック・ラッセル(Vo)が、故ボブ・キューリック&ビリー・シャーウッドをプロデューサー兼曲作りのパートナーに招いてレコーディングを行い、'02年に発表した2枚目のソロ・アルバム。 GREAT WHITE健在時に制作され、その息吹も感じられる仕上がりだった1stソロ『SHELTER ME』(’96年)に比べると、主要メンバーが櫛の歯が抜けるように欠けていき、バンドが実質的な解散状態に陥ってしまった時期にレコーディングが進められている本作は、今後ソロ・アーティストとして自身が進むべき方向性を模索するかの如く、ピアノやアコースティック・ギター、爽やかなハーモニーとに彩られたバラード~スロー・ナンバー系が大半を占め、よりジャックの「歌」に焦点を絞ったライトでメロウ、AOR寄りのサウンドが託されています(敬愛する実父の死もこうした作風に影響を与えた模様) とはいえ、もともと歌唱能力の高さに関して定評のある御仁ゆえ、この仕上がりはむしろ個人的にはばっち来い。とりわけジャックのエモーショナルな歌いっぷりが映える、GYPSY KINGSの“INSPIRATION”を思わすイントロから哀愁をたっぷり帯びた曲調にグッと来る③や、もし80年代にシングル・カットされたならヒット・チャートを賑わせたって不思議じゃない⑤辺りは、ラッセル/キューリック/シャーウッドという座組でここまでやってくれるんかいと、正直ビックリでしたよ(と同時にみくびって申し訳ないとも) 今後またソロ・アルバムを制作することがあるなら、是非またこの路線でヨロシク…とお願いしたくなる、実に味わい深い1枚です。