いきなり「MOUNTAIN TOP」はひっくり返りました。あまりにもアメリカを意識した構成で途中で多少心配させてくれるところもあるけど、ラスト「TELL ME」から「I'M GONNA SING THE BLUES」はこれぞVOWWOW。ぜひライブでやってみたい。さすがに両足踏んばって本気出した時のこのバンドのパワーは世界的にも比べる音など皆無。っていうのも納得。ホントにこれで終わってしまったのかと思うと、涙が止まらない1枚です。
しばらく追っていたVOW WOWでしたが、この作品は解散後はじめて聴いた。それゆえなのか、散りゆくイメージが強く、なぜかまとまらない印象を受ける。アメリカのマーケットを意識しようとした作風が、実はそうなりきれずに、ブリティッシュな湿り気(ここが彼らのよさ)を多分に残した作風となったのが、その要因のように思われる。だから、各曲間にギャップがあり、中途半端に感じてしまうのだろう。僕なんかは逆にアメリカになりきれなかった彼らを評価したいが…。 CMソングで、シングルカットされた"Tell Me"もC/Wの"I'm Gonna Sing The Blues"も収録だが、流れに乗っていない(かなり豪華な)ボーナストラック的印象。"Black Out""Speed"をはじめ、名曲ばかりなのに、アルバムを通すと寂しく、バラバラに感じてしまう。The Beatlesの"Let It Be"のような。 誤解のないように、Ⅲ、Ⅴのような凄まじい緊張感・一体感が感じられないだけで、しかし、各曲ごとのクオリティーは比類なきまでに見事です。
アルバムのクオリティはかなり高いと思います。 MOUNTAIN TOPは文句なしの名曲だし、BLACK OUTやSPEEDなどの疾走曲、 LOVE SOMEONEやI'VE THROWN IT ALL AWAYといった感動的なバラードもあり。 さらにボーナストラックについては、これはもう言わずもがなですね。 しかし、何だろう。どうもまとまりに欠けるというか、アルバム一枚緊張感が続かない。 曲数が多すぎるというのもあるんですが、それでも全曲一気に流れていく勢いがあれば、IIIやVに匹敵する名盤になれたアルバムだと思います。 それが無いのは、やっぱり解散直前ということが関わってくのだと思うけど。 非常に惜しい、名盤の一歩手前。でも、良いですよ。