1986年6月2日、EMI Recordsよりリリースされた12thアルバム。
「前作までの険悪な雰囲気を、1985年のライヴエイド出演によって吹き飛ばした後に作ったアルバム」と、多くのメディアで説明づけられている。元々、映画『ハイランダー』のサウンドトラック用の曲をアルバム用に録音し直し(製作側の当初の依頼は3曲。最終的には6曲完成)、数曲を追加してアルバムレコードとして発売。
これはQueenが過去に『Flash Gordon』のサウンドトラックアルバムで成功しなかった反省から、サントラ盤としてよりもQueenのオリジナルアルバムらしいものにするという判断になったという(最初の曲は、映画『Iron Eagle(アイアン・イーグル)』の主題歌)。また、シングルカットの順番が、『Highlander(ハイランダー)』公開前だったイギリスでは『A Kind of Magic』からであるのに対し、既に『Highlander』の公開が始まっていたアメリカでは「Princes of the Universe」からであったなど、メディアミックスなセールス展開をしている。
Brian May曰く、最初は主題歌のオファーを断るつもりであったが、脚本と途中まで撮影されたフィルムを見せられて感動し、帰宅途中の自動車の中で「Who Wants to Live Forever」を思いついたという。 演奏やアレンジや音質から、中期といわれている前作のアルバム発表には近いながらも、後期としての円熟味も兼ね備えている。四人の作曲面での個性を、Queenとしてのバンドの演奏力と、編曲力や音楽でまとめられている。当初の録音風景の様子を撮影したビデオ作品によると、まだ、若干のメンバー間の軋轢を残してはいるようだが、よりよい音楽を作るためにもみうけられ、Freddie MercuryとRoger Taylorがかなりの部分で主導的立場をとっていたようであった。
Recorded:September 1985 – April 1986 at Musicland Studios, Munich, Germany, Mountain Studios, Montreux, Switzerland and Townhouse Studios, London, England
Producer:Queen, Mack, David Richards