日本では過去最高の売り上げ、しかし本国アメリカではファンでさえ発売された事実を知らなかったというアルバム。それまでのアルバムで(ヌーノは)やりたいことをやりつくし、これが彼らの最終アルバムになりました。全体的にバンドのライヴ感を重視した作風で、これまでの作品に比べかなり異質な作風になっています。まず曲が異様にダーク。ゲーリーの書く歌詞は非常に宗教的、内向的な歌詞になっています。「NAKED」や「TELL ME SOMETHING KNOW」など、ヌーノのピッキングの細かいニュアンス、豊かな表現力は上手く納められておりギターを知っている人ならヌーノの上手さに改めて驚いたでしょうがそうでない人にとっては退屈そのものだったでしょう。私も最初そうでした。 アップテンポな曲での彼らのグルーヴ感覚は見事でとくにマイクの加入により今後の期待をさせたのですが…。
ギター、ベース、ドラム、歌、どれをとってもすごいアルバム。 しかし、コレはどう考えても一般受けはしないだろう。実際、私も初めて聴いたとき、「何じゃ?これ」と思いました。からっと明るくアメリカンな「PORNOGRAFFITTI」や、ポップさと派手さもある「Ⅲ SIDES TO EVERY STORY」から聴いたので、思いっきり拒絶してしまったのですな。地味と言うより、空気が異常に湿りまくり、暗いのである。ギターもわかりやすさがまったくない。結構中古で見かけるのも納得といえば納得「PORNOGRAFFITTI」が好きな人や、この空気に違和感を覚えた人はこんな音はいらないだろう。 しかし、わかるようになるとコレが実に衝撃的(特にヌーノ氏のギター!)で、鳥肌ものなのだ。うまさというより、この人たちの音楽的センスのよさにびっくり。とにかくグルーヴ感に酔える。そして、暗い空気の中に流れるキャッチーなメロディも聞こえてくる。すごい。 これは言ってみれば、NIRVANAの「IN UTERO」みたいな「問題作」であるだろう。だからこそ、今気に入らなかった人もまたいつか聴いてほしい。気に入るときがくるかもしれない。 偉そうに書いているなぁ。