『ROCK'N'ROLL』 そのままズバリのアルバム・タイトルである。この単純明快さがイイ。このアルバムで聴かれるサウンドは、『ACE OF SPADES』ほど荒々しくはないし、衝撃度では『ACE OF SPADES』に劣る。しかし、アルバム全体がよくまとまっており、とても聴き易い。モーターヘッドに「過激」を求めている人には、迷わず『ACE OF SPADES』の方をお勧めする。『ACE OF SPADES』を聴いた後にこのアルバムを聴くと、どこか物足りなさを感じてしまうかもしれないからだ。しかし、『ACE OF SPADES』と比べるのも酷な話だ。『ACE OF SPADES』はあまりにも凄すぎるのである。他の作品と比べたりせず、ここは素直にこの作品の良さを認めるべきだろう。私にとっては、このアルバムも最高のロックンロール・バイブルである。 「これがロックンロールだ。屁理屈ばかり言ってないで、黙ってこれを聴け!ケツに蹴り入れるぞ。この鼻タレが!」というレミーの声が聞こえてきそうなサウンドである。ロックンロールといっても、底抜けに明るいスカッとしたロックンロールではない。モーターヘッド特有の、ダーティーかつワイルドなロックンロールである。シンプルな曲でこれほど個性的な音を聴かせてくれるバンドは、モーターヘッドとAC/DCくらいのものだろう。 このシンプルでストレートなロックンロールを前に、難しいことを考えていても仕方がない。ブルース・リーではないが、「Don't think. Feel !」といった感じである。アントニオ猪木風にいえば、「迷わず聴けよ。聴けばわかるさ・・」になるだろうか。屁理屈は無用。とにかく体で感じてほしい。私に言えるのは、ただそれだけである。 『ROCK'N'ROLL』最高である。
MOTORHEADをリアルタイムで聴いたのがこの作品、ACE OF SPADESをレンタルして聞いた後だったので戸惑いは隠せませんでしたが長いキャリアを考えると原点回帰とも取れるアルバムタイトルが示す一枚かと思います。少なくとも①の軽快さとロック然としたアレンジは実に堂に入ったものですね。猛り狂う荒くれ暴走サウンドとは違う、いい意味で計算された作風ですが英国的な雰囲気を随所に感じ取ることができロックの真髄を魅せられた気分になります。