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THE BIRTHDAY EVE 〜誕生前夜〜 (1981年)
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THE BIRTHDAY EVE 〜誕生前夜〜
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解説 - THE BIRTHDAY EVE 〜誕生前夜〜

1981年11月25日、日本コロムビアよりリリースされた1stアルバム。
帯コピーは『悪魔に魂を売った天使(エンジェル)たち!。』
1980年、所属事務所(トライアングルプロダクション)の意向でアイドルバンドとしての活動を余儀なくされていたLAZYの樋口宗孝は他のメンバーより先に成人を迎えていた事から、多くの先輩ミュージシャンと呑みに行くうちに様々な情報を手に入れていた中、所属事務所や業界の考えに違和感を持つ様になり、所属事務所側にいちリーダー、年長者として様々な口出しをする様になる。そうした樋口の態度に対し事務所側は樋口を解雇しようする動きに出るが、それを耳にした高崎晃は、樋口がいなくなるのなら自分も一緒に辞めると考える様になり、その様な状況で12月にリリースされた『宇宙船地球号』はヘヴィメタル宣言をしたアルバムとして注目を集めたが、高崎によると当時の評価は「アイドルがヘヴィメタルに挑戦しただけ」という受け止められ方が強かった事も含め、上記の様な事情が重なり合った結果、LAZY解散の道へ向かう事となった。
1981年2月、所属事務所とバンドメンバーとの協議の結果、2月18日のコンサートでLAZYは解散宣言をする。3月には高崎と樋口、田中宏幸は高崎が“東京の兄貴”と慕うレイジー初期の現場マネージャーだった中下利行を従えて新バンド結成を決意。2~3人程の候補者を招いてボーカルオーディションを開く。候補者の一人には後に第4期LOUDNESSのベーシストとなる柴田直人が当時在籍していた「BLACK HOLE」のボーカリスト(Rio)もいた。最終的に選ばれたのは高崎の幼馴染である山下昌良が推薦した元EARTHSHAKERのボーカルの二井原実で、Percy Sledgeの「When a Man Loves a Woman(男が女を愛する時)」をピアノの弾き語りで歌った事が加入の決め手となりバンドに迎えられ、高崎晃プロジェクトとして始動。所属事務所も中下が長戸大幸とビジネス上の付き合いがあった事からビーイングに籍を置く事となった。
5月22日にLAZYは正式に解散。しかし、程なくして田中は音楽性の違いや樋口との意見が合わなくなった事から離脱。 そこで高崎の幼馴染で、二井原をボーカルに推薦した山下昌良をベースに迎え、山下は6月に上京し高崎の自宅マンションに居候として住み込め始めた。ここから高崎晃プロジェクトからバンドという体制に方向転換する。(当初はあくまでも高崎晃のソロアルバム制作を目的に動いていたプロジェクトであったがスタジオでのセッションが予想以上に良かったため樋口の提案により、このメンツでの新バンド結成に繋がった)。山下は二井原を推薦した当時、「ゼファー」というバンド(山下以外には後にMARINOに加入する大谷令文、後にX-RAYに加入する高橋ロジャー和久が在籍)を結成しており、山下の自宅でゼファーのファーストライブの打ち合わせをしている時に、高崎から電話でLOUDNESSに誘われている。
同年8月、エンジニアに小野誠彦を迎え、三重県のチェスナットスタジオでレコーディングを行い、マスタリング作業を含めてたった5日間で終わらせた。バンド名もこの頃に「LOUDNESS」に決まった。

この作品でのサウンドはVan Halenの『Van Halen(邦題:炎の導火線)』やNWOBHMを意識しており、1曲1曲に様々なリフを詰め込み、全体的に長い演奏時間や変拍子な曲調からプログレッシブ・ロックの傾向も見られる。12月17日に浅草国際劇場にてデビューコンサートを実施。「日本のハードロックは売れない」と言う当時の邦楽界の見方に反し、3000枚近くあったチケットは即座に完売し、関係者を驚かせた。

Recorded:Chestnut Studio, Studio Birdman, August - October 1981
Producer:Loudness
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コメント・評価

Recent 50 Comments



1. スイカマン ★★ (2003-07-16 19:36:00)

日本のへヴィ・メタルは高崎 晃のアーミングを駆使したSEで始まるナンバー『LOUDNESS』で本格的に幕を上げた。当時の日本にはへヴィ・メタルシーンが無いに等しい状態だった為、LOUDNESSに対する期待は大きかった。満を持して発表された『THE BIRTHDAY EVE』はギター・ソロも含めて全曲一発録り(バッキング等は後からかぶせて録音したらしい。)で、ライヴ感・グルーブ感が見事に表現され、その演奏力の高さに対する自信が伺える。LOUDNESSの登場により孤軍奮闘状態だったBOW WOWや子供ばんど等も注目され始め、さらにはニ井原 実(Vo)が在籍していたEARTHSHAKER、山下 昌良(b)が脱退した為に解散したZEPHYRのメンバーが加入したX‐RAY、MARINOといった関西のバンドが続々とメジャーデビューを果しムーヴメントを形成、シーンは一気に活性化した。全てはこのアルバムから始まっており、日本のHM/HRを語る上ではかかす事の出来ないアルバムです。



2. けんけんちゃん ★★ (2003-09-19 13:50:00)

やはりこれに尽きるでしょう。
一曲目でKOされましたw
それ以来、LOUDNESSの虜です。



3. TUGU ★★ (2003-10-25 12:53:00)

先輩の持っていたアルバム(レコード!)に薄気味悪いジャケットのこのアルバムがありました。なんだこれ?と針を落としてみるといきなりのアーミング。1曲目の"ラウドネス"だ。
当時みんなこれにやられたんでしょうね。個人的には"I'm On Fire"とか"Rock Shock"
が好きです。



4. ユェン ★★ (2003-11-11 21:43:00)

『LOUDNESS』のアーミングは俺の中では『日本HR/HMの産声』だったと思います。この曲で誕生し『Rock Shock』で小学校入学って感じ?



5. louder ★★ (2004-01-19 02:28:00)

我が日本に『HM/HR』ブームを巻き起こした記念すべきアルバム。
発表当時まだ若干20歳前後だった彼らがのちに『日本人HM/HRバンド』(以下『日H』)初のホールツアーや、『日H』初の米の大手レコード会社との契約や、『日H』初の「マディソン・スクエア・ガーデン」のステージに立ったり、『日H』初の武道館2DAYS等などの金字塔を打ち立てる事を予測出来たろうか?




6. 880 ★★ (2005-04-28 21:59:00)

発売日(81.11.25)には買いませんでした。同じ日に発売されたRCサクセションのアルバムを買いました。残念。当時はノー・マークでした。2ヶ月遅れで購入しましたが、「何だよ~これ。リッチー(ズラックモア)やマイケル(ヘンカー)(笑)聴いてた方がいいな~」てな印象でした。2ND発売の頃には予約いれる程のファンになってましたけど。



7. メタル伝道師 ★★ (2005-06-15 14:51:00)

デビュー作という事でニ井原のボーカルにまだ泥臭さ初々しさが残る作品です。
音質は劣悪ですが曲のクオリティは高いです。
ラウドネスを極めたい人は聞いてみましょう。




8. ドゴスギア ★★ (2006-10-19 21:45:00)

さすがに古さを感じるが、この頃から既にタッカンがこんなに上手いのにはびびった・・・。
発売、1981年なんですか?!!
マジで?!
しかし、長いことシーンのTOPに君臨しているなぁ。




9. 失恋船長 ★★ (2007-10-23 05:39:00)



10. 失恋船長 ★★ (2007-10-23 05:48:00)

日本のHRの産声をあげた記念すべき作品と言っても過言ではないラウドネスのデビューアルバム アイドル時代の鬱憤を晴らすかの如く凄まじいプレイをデイビーとスージーが聴かせてくれる 二井原の声は作りモノと言われてたなぁ 音も悪いしプレイも粗いけどHR到来と言わせるだけの凄みが伝わる名盤である



11. Dr.Strangelove ★★ (2009-01-31 14:38:00)

日本HM史の幕開け。荒削りだが良い曲ばかり。



12. HIRO-SKYWALKER ★★ (2009-05-28 18:17:00)

音は悪いがその分生々しさが出ている。
ほとんど一発録り、みたいなことを、
当時のインタビューでメンバーは言っていた。
彼らのアルバム中、最もやりたいことを素直にやりました感がある。
この棚卸し作業の後、彼らは心置きなく、ヘビヘビメタメタ路線を
突き進んでいくことになるわけだが、
このころはまだラッシュみたいな要素も多分にあって、
個人的にはそこが嬉しい。
成分表を数式化すると、
(1.2UFO+0.4ラッシュ+0.7パープル)×1.5パンク
といった感じでしょうか。



13. Taka-G ★★ (2009-07-30 20:50:00)

LOUDNESSの衝撃的なデビューアルバム。
リアルタイム世代ではない私達が聴くと、正直作りが粗く、古臭さは否めない印象ですが、ほとんどが一発録りで制作されているようで、独特の迫力や生々しさを感じます。
本作が制作された当時は、メンバーもまだ20歳を過ぎたばかりの若さでしたが、既にRUSHやDEEP PURPLE、UFO、VAN HALENなどの影響を彼らなりに消化し、モノにしていることには貫禄すら感じさせます。
後年、海外進出を果たす彼らですが、本作はその「原石」とでもいうべき魅力にあふれた一作ではないかと思います。



14. てかぷりお ★★★ (2011-09-07 21:50:51)

LOUDNESSのデビューアルバム
ジャパニーズへヴィメタルの幕開け的作品で1.Loudnessの最初のアーミングはまさに産声そのもの
今からちょうど30年前の作品で、時期的にNWOBHMの時でそれらのバンド達と同じような真っ直ぐでピュアなへヴィメタルが聴けます
一発録りがほとんどのようで、特にバッキングなしのギターソロは生々しくLive感があります その時の山下さんのベースがとても心地よいです 生々しいという点ではVAN HALENの1stっぽいかな
名盤だと思います もっと人気あるかと思ってました 




15. 火薬バカ一代 ★★ (2013-03-21 23:41:49)

自分がLOUDNESSの名前を意識するようになった頃には、既に彼らは武道館でライブを行う大物バンドとしてHR/HMシーンに君臨していました。潤沢な予算と一流のスタッフを投入し制作された、その時期の作品に慣れ親しんでいた身としては、遡って本作を聴いた時は、楽曲的にも音質的にもパフォーマンス的にも、結構荒削りな(特に二井原実のVoが)、ずばり言って垢抜けないサウンドに「え?これがあのLOUDNESS?」とかなり戸惑った記憶があります。
例えば“STREET WOMAN”に強く表れているようなサタニック・メタル的なオドロオドロしさや、70年代HR、プログレッシブ・ロックからの影響を纏ったダークな作風も、そうした印象に拍車を掛けていたような。今となっては「そこが良いんじゃない!」ってなもんですが。
特に本編で頭一つ抜けたカッコ良さの“ROCK SHOCK”や、それに続く存在感を放つバンドのテーマ曲“LOUDNESS”と、ドラマティックなバラード“TO BE DEMON”は、個人的に初期LOUDNESSを語る上で欠かせない名曲だと思っております。
また、日本刀の如き切れ味の鋭さで迫る高崎晃のGプレイ、ラウドに暴れ回る樋口宗孝のドラミング、特異な声質の二井原実のVo、リード楽器ばりの存在感を誇る山下昌良のBと、メンバーから立ち昇るオーラも既に確認することができますよ。




16. 正直者 ★★★ (2018-08-07 12:02:33)

アイドルから本格的にミュージシャンへと変貌。ジャパニーズメタルの扉を開けたLOUDNESSの記念すべきデビューアルバム。メンバー全員20歳そこそこの若者なのに、プレイアビリティの高さがエグイ。しかもレコーディング期間はたったの1週間!!。スゴイよ、スゴクねぇかこれわ!?
短期間のレコーディングだけに荒削りだけど、楽曲の出来は申し分なし、ド頭の雷の如きノイズギターに脳天がカチ割られたかと思ったよ。

ライブの臨場感を出すために一発録りに拘ったレコーディング、これだけ凝ったフュージョンやプログレからの要素も巧みに取り込んでいるのにね。
本当に凄い奴らが日本から現れたと思ったよ。




17. すーさん ★★★ (2020-06-12 05:14:49)

リマスター版が安価で手に入るので、音が悪いなーと思った方は是非購入を!内容は素晴らしい。
ラウドネスの1st、2ndは名盤だと思います。リマスター版でラウドに聞いて下さい。



18. Tamasa ★★★ (2020-08-15 03:55:37)

ほぼスタジオライブの様な生々しいデビューアルバム。

彼ら(というか、高崎と樋口)の初期衝動がそのまま日本のメタルの扉を開けた。
NWOBHM勃発とLazy時代の宇宙船地球号はほぼ同時。海外の同年代のアーティストと同じ時期に同じものを聴き、同じ様にロックを吸収してきた初めての世代である高崎達。日本のメタルはその誕生時、既に海外と比べて何ら劣るものではなかったと言える。特にテクニック面ではデビュー時から間違いなく世界のトップクラスであった。

炎の導火線 鋼鉄の処女 誕生前夜
並べて聴くとしっくり来るというのが一番凄い事だと思う。




19. YG ★★★ (2023-02-10 19:04:33)

日本においてヘヴィメタルの歴史はここから始まった。ジャパニーズメタルシーンの扉を開けた記念碑。当時タッカンは20歳ソコソコだぞ。信じられるかよ。ギター投げ出したくなるぜ。タッカンのエフェクトシステム真似しましたが、前々同じ音にならない。ランダムスターも買ったぞ。なんでじゃ。アンプの真空管だよなと研究した時代が懐かしい。


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