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新生AGENT STEEL第2弾。前作はメロを後退させその分硬質さと攻撃的な展開を強調した、恐ろしいほどに緊張感のある作風でした。それはやはり再結成第一作という気負いがあったのかもしれません。そんないっぱいいっぱいの状況で作成されたのが前作なら、今作は回りのニーズに目を向けるくらいの余裕が出てきたというところでしょうか。前作の硬質さは随分と引き、速い曲などはジョン・サイリス在籍時のスピードメタルな感触が随分と戻っているように感じました。一方で今作の新機軸となっているのが、明らかに今のヨーロッパ市場を意識したメロウさ。随分としっとりと湿り気を帯びた展開が多く、これまでのAGENT STEELでは決してありえなかった要素だけに、正直驚きです。2曲目などは、そんな新たな持ち味が存分に発揮された名曲といっても良いでしょう。実に見事に組み上げられた曲だと思います。
しかし、アルバム自体で見ると…随分と落ち着いてしまったかな、と。メロウなのはいいのだけど正直つまらない曲も多く、そのせいか後半復活してくるスピードナンバーも、随分テンション低く聞こえてしまいます。スピード一辺倒でないのならば、2曲目くらいのクオリティを持った曲がもっとないと…。ブルースのヴォーカルは随分と安定してきたので、正直残念です。ただ、スピードメタルの部分とメロウな部分が上手く融合すれば、とんでもない大傑作を生み出すことも考えられるので、次作に期待…かな。

このアルバムは抜群に良い。特に２曲目の間奏からメロディアスなGソロへの流れはEZOの「Fire　Fire」のスラッシュ版ともいうべき感涙の仕上がり。GREAT！！

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