F&Jの代表作と言えば、やはり2nd「NO PLACE FOR DISGRACE」で決まりだろうが、ジェイソン・ニューステッドが 唯一参加している、この'86年発表のデビュー作も、完成度の高さでは負けていない。 兎に角、(俺のように)METALLICAでジェイソン・ニューステッドというベーシストの存在を知り、 遡ってこのアルバムを聴くと、その活き活きとハジけるように動き回る魅力的なベース・プレイに 「METALLICAと全然違うなぁ」と驚かされること請け合い。これが若さか・・・なんて。 ぶっちゃけた話、彼が殆ど手掛けたという収録曲のクオリティも、「...AND JUSTICE FOR ALL」以降の METALLICAの楽曲より断然上だ。(と言っても、これは単なる好みの問題なんだけれども) 本作は、のっけからガツンとカマされる勇壮な①“HAMMERHEAD"を筆頭に、F&Jのアルバム史上、 最もスラッシュ・メタル色が色濃く打ち出されている1枚で、そのエネルギーの原動力は、勿論、ジェイソンのリードB。 一方で、⑤“DOOMSDAY FOR THE DECEIVER"のような劇的な盛り上がりをみせる大作では、 2本のギターが中心となって、美味しいメロディを積み重ねながらドラマ性を演出していく。 この強力なツインGがあったればこそ、中心メンバーだったジェイソンを引き抜かれた後も、 作品のクオリティを落とすことなく活動を継続できたんじゃなかろうか? また、フロントマンのエリック・AKも、確かな歌唱力を備えながら、3rdアルバム以降の脱スラッシュ路線では 歌メロの弱さを指摘される場面もしばしばだったが、ここでは有無を言わせぬ攻めの姿勢で聴き手を圧倒。 耳をつんざくパワフルなハイトーンVoで、作品のアグレッション演出に大きく貢献している。