鳥肌がたつほど恐ろしいアルバムです。68年というプレ・ハードロック期に これほどの音を出していたとは驚くより他ありません。 ハッキリ言うと、まとまりが無かったりするのですが、色んな事をやってみたいという 衝動と異常なまでのプリミティヴなパワーが渾然一体となって、とてつもない混沌を 生み出しています。当時のイギリスには世に出ていないこんな感じのバンドが沢山 いたんじゃないかなぁ。 「RACE WITH THE DEVIL」はGIRL SCHOOLもカヴァーしたへヴィなアップチューン。 中間部の悪魔の笑い声は狂気が垣間見えます。 「THE SAD SAGA OF THE BOY AND THE BEE」はストリングスが物語を盛り上げる ドラマティックなナンバー。 (70年代にヒットした平田隆夫とセルスターズの「ハチのムサシは死んだのさ」は この曲にインスパイアされたんじゃないだろうか) ギターのエイドリアン・ガーヴィッツ(クレジットは何故かカーティス)は 誰の影響下にあるのか解析不可なオリジナリティ。恐ろしく歪んだ音で 弾きまくります。 このアルバムに充満している"ドロリとした"情熱は、現代のHM/HRには 表現し得ないものです。