"Destinies of the War","Seven Years in the Past"からの選曲を中心にしたベスト盤。正直、なんで日本発売されているこの2枚からなのか…と、リリースされた時思った。1st~3rdが当時未CD化だった以上、ファンが興味があるのはまさにその辺じゃないのか、それからの曲をもっと入れてくれても良かったんじゃないか、と。しかし、冒頭に収録されている新曲2曲があまりに格好よすぎて、実際に聴くとそんな不満も吹っ飛んでしまった。やはりリッキー・ヴァン・ヘルデンは天才だと再認識。 ただ、ATTACKを最初に聴くには…"Destinies~"の方がいいかなぁ。"Seven~"の曲で悪印象を受けてしまうのも、なんか勿体無いしね。
90年代のジャーマン・メタルの盛り上がりを(主に底辺方面から)支えマニアに愛された、リッキー・ヴァン・ヘルデン大将率いるATTACKが、当時誰も欲しがらなかった・・じゃなくて入手困難だった初期作、並びに近作の楽曲をリミックス&リ・レコーディング、更にそこに新曲も加えて発表したベスト盤がこちら。 IRON MAIDENとHELLOWEENの中間ぐらいに位置する正統派HMサウンドを志向しながらも、リッキー自身のへなちょこボーカルと、調子っ外れなコーラス、不安定な演奏にしょっぱいプロダクションが足を引っ張って、彼らについて語る際には常に「ATTACK(笑)」と、名前の後に(笑)マークが付いて回っていたような気がするのですが、どっこい、キラリと光る大将の曲作りの才は決してバカにしたもんじゃありませんでした。 取り分け“WONDERLAND”と“DEATHRIDER”(共に『DESTINIES OF WAR』収録)のカッコ良さは出色で、特に10分に及ばんとする長尺を、勇壮且つ疾走感たっぷりに語り切った後者は、独産メタル・マニアなら一度は聴いておいて損のない出来栄え。その昔バイトしていた喫茶店でBGMとして流させて貰ったら、お客さんから「お、この曲良いねぇ」と好評を得たことでも思い出に残っている名曲であります。 今日び果たして需要があるのかどうかはともかく、ATTACK入門編には本作が打って付けですよ。