正式なアルバム名は『LIVE IN JAPAN 2001-IN THE LAND OF THE RISING SUN』です。 文字通り、2001年に発表されたライヴ盤です。 再結成アルバム『TUSCANY』を発表し、そして満を持しての初来日公演を捉えた物です(その前には'91年にアニー・ハズラムのソロとしての来日はありましたが、ルネッサンスとしてはこれが初です)。 ショウはあの『燃ゆる灰』収録の「Carpet Of The Sun」で幕を開けます。70年代の全盛期のライヴに比べると、さすがにアニーのクリスタル・ヴォイスもやや色あせたかなと思いますが、でもこうしてアニーが歌ってくれているだけで大満足でしょう。ギターには「あの」天才マイケル・ダンフォードもいて、頼もしい限りです。 その後「Midas Man」「Northern Lights」「Mother Russia」「Trip To The Fair」などの過去の名曲、そして新作やアニーのソロ作品からの曲も含め13曲が本編で演奏されます。多少選曲に不満もありますが、とにかくその輝かしい、いや、神々しい天空の音色のような演奏を聞いているだけで、僕の魂は宙に彷徨い出します。恐ろしく神聖で、且つ触れれば壊れしまいそうなほど繊細な音世界が目の前に広がります。特にアニーのソロから「Moonlight Shadow」を演奏してくれたのはとても嬉しいです。 そしてアンコールではあの超名曲「Ashes Are Burning」が!!!。あぁ・・、なんと素晴らしい。儚くも情熱的、憂えども希望。ほんとに、なんて人間に勇気を与える曲なんでしょうか。恐怖感を覚えるほど光彩陸離としていて、僕みたいな若輩者がこの曲を語ることが恐れ多く思ってしまう旋律の嵐です。本当にこの曲はいつ何時聞いても、この世の物とは思えない大傑作です。 総合的にカーネギー・ホールでのライヴと比べると選曲にもアルバム自体の勢いも違いますが、ここでのライヴの円熟したルネッサンスも、依然としてそのカリスマ性は失ってはいないですし、むしろ深みが増したような気がします。 この作品を聞くのは他のオリジナルアルバムを聴いてからの方が良いと思いますが、その後なら十分楽しめる内容だと思います。