4th『IRON WILL』と5th『HAMMER OF THE NORTH』の余りの素晴しさに痺れ、遡って購入した'03年発表の3rdアルバム。 男らしく野太い声質と広い声域を併せ持ったJBのVo、猛々しく刻まれるGリフに、地鳴りの如きうねりを伴ったリズムから構築される、「BLACK SABBATHミーツ北欧様式美HM」といった趣きのサウンド・スタイルは、このアルバムの時点で既にその方向性を定めつつあるが、と同時に本編には、ゆっくりと沈み込むようなヘヴィネスを湛えた超ドゥーム・メタリックな楽曲も散在。初期作の色合いも確実に息衝いており、まぁ要するに過渡期的内容の作品なのか。 但し、ここに収められた楽曲の数々はメチャ強力。特に、雄々しくも物騒な①に始まり、(なぜか)『恐怖のレストラン』の頃の聖飢魔Ⅱを思い出したりもする②、ヘヴィなインスト曲③に導かれてスタートする、BLACK SABBATHのみならずMANOWAR辺りからの影響も入り混じったエピック・チューン④を経て、シャープなGリフがアップテンポで駆け抜けていく⑤にてクライマックスを迎える、アルバム前半の完成度の高さは間違いなく本編の白眉。(北欧民謡風のメロディが聴かれるインスト小曲⑥から始まる、アルバム後半戦も十分聴かせてくれるけどね) パワフルな歌いっぷりのみならず、センス良くまとめられたJBのGプレイもキラリと輝きを放つ1枚。