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VRACEJTE KONVE NA MISTO (2012年)
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VRACEJTE KONVE NA MISTO
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解説 - VRACEJTE KONVE NA MISTO
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-05-16 21:28:17)

2012年発表の5th。

非北欧のバンドではシーンの最初期から活動するキャリアの持ち主であったり、初期作のオリジナル盤がプレミア価格で取引されていたり、何気にトリビュート盤まで出ている…等という情報から、ただものでないバンドであることは予想が付きましたが…いやはや、という感じですね。私はこの作品がMASTER’S HAMMERとのファーストコンタクトでしたが、ただただ翻弄・圧倒されるばかりでした。ほんと異星人にでもあったような感じ。

路線としては、ブラックメタルを演奏の主軸としつつも、そこに様々なエクスペリメンタルな要素をぶち込んでくるカルト系アヴァンギャルドという感じですが、根幹を成すバンドサウンドが意外にも骨太なのが、まず特徴の一つですね。スラッシーでメタリックなリフ捌きは何気にストレートにかっこよく、音質もしっかりしているため、ある意味では聴きやすい音、ではあるのかも。

そしてそこにぶち込む実験要素がまた素晴らしいです、常軌を逸してます。トライバルなパーカッションや民族楽器風のが妙な音色の楽器が生み出す、曼荼羅を背に麝香を焚くかの如き宗教的なムードも然る事ながら、電子音やサイバーなフレーズをも用いた先進的な部分も当たり前のように同居させているのが何とも…。持続音により禍々しさが上がり、電子音との対比で妖しさがより強調され、邪悪なムードは更に高まっている感じ。時折Attila Csihar風にも聞こえるダミ声がなりも妖しさを強調。

…この手のブラックって、アヴァンギャルドなパートのみを取り出してみると、ただのプログレや前衛音楽であったり、ブラックメタル本来の邪悪さ・カルト志向から離れた感性で構築されていたりといった事が珍しくないですが、このバンドはブラックメタル要素とアヴァン要素が不可分一体となっているのが素晴らしいんですよね。メタルから変に逸脱せず、しかもちゃんと音楽としてユニークで、非常に面白いものとして仕上げているというか。

いや、これは良い作品ですね。カルトな支持を得ているというのも十分に分かるアルバムでした。センスと才能を兼ね備えた人間が、ダーク方向にそれを発揮したらどうなるかを、身をもって体感させてくれるような作品。SIGHやTHE MEADS OF ASPHODELが好きな方には特にお勧めの逸品です。



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