Warlockの4作目のアルバムになるが、オリジナル・メンバーはボーカルのDoroとドラムのMichael Eurichだけです。3作目にいたオリジナルのベースとギターも入れ替わりました。でもメンバーが入れ替わったわりにはWarlock的なサウンドはきちんと保っています。Doroの「シャウト」ボーカルは衰えを見せるどころかパワーを増している様な気がします。声帯が良く切れるのではないかという歌い方をさらに極めています。大きな変化はギターそろに出ています。前作から加入したNikoのハーモニックスがギンギン効いたギターソロが目立ちます。ライブで観客が一緒に歌えそうな中テンポの「All We Are」や「East Meets West」のりの良い「I Rule the Ruins」のような曲もあれば、「Make Time For Love」やドイツ語で歌っている「Fuer Immer」みたいなバラードも収録されています。他にはスピード・メタルっぽい「Three Minutes Warning」等も収録されています。
赤尾和重、アン・ボレイン、レザー・レオーネらと共に80年代のHR/HMシーンを彩った、「女ロ二ー四天王」ことドロ・ペッシュ(Vo)を擁するWARLOCKが'87年に発表し、彼らの最終作ともなった4thアルバム。 GとBをU.D.O.に引き抜かれたりと、櫛の歯が抜けるようにメンバー・チェンジが相次ぎ、ドラマー不在の穴を埋めるべく御大コージー・パウエルがノー・クレジットでタイコ叩いてる事でも知られる本作は、ドロ単独のイラストや写真があしらわれたジャケット/ブックレットから「ドロ・ペッシュとそのバックバンド」的な構図が透けて見える通り、後のソロ活動へのターニング・ポイントともなった作品で、現在も彼女のライブでは欠かす事の出来ないアンセム“ALL WE ARE”を収録。 この名曲が示すように、重厚なミドル・テンポの楽曲を中心に固められた本編は、ドメスティックな色合いやマイナー臭が一掃され、アメリカ出身の正統派HMバンドと言っても通用しそうな洗練された薫りが匂い立つが(レコーディング自体、ドロが渡米してNYにて行われている)、どっこい、メロディが能天気になってしまったなんてことはなく、ドラマティックな構築美が光る③、物悲しげなピアノの旋律をフィーチュアした⑤、“METAL TANGO”というタイトルからして最高な⑧、そしてドロ・ペッシュ嬢を語る上で避けて通れない名バラード⑩といった楽曲は、“ALL WE ARE”等の代表曲にも引けを取らないクオリティを備えているんじゃないかと。 元マネージャーとのトラブルが原因で結果的にこれがラスト作とはなったものの、有終の美を飾るに相応しい完成度の高さを誇る1枚。