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VICTIM OF CHAINS (2005年)
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VICTIM OF CHAINS
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解説 - VICTIM OF CHAINS
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コメント・評価

Recent 50 Comments



1. ガイアナ ★★ (2006-04-05 20:42:00)

「ジャーマンメタル」ほどややこしい分類もないと思うのは、私だけじゃないハズ。
昔BURRN!別冊として刊行されていた「炎」という雑誌を久々に読み返したところ、その頃まだ大学生だった(現BURRN!構成員の)奥野氏の寄稿文があり、そこで彼が同じようなことを言ってるのを見つけました。
とりあえず私の場合、普段はHELLOWEENみたいなバンドを指す時しかこの言葉は使わないことにしています。
GRAVESTONE(墓石)という名の付いたこのバンド、ドイツ出身なので一応ジャーマンメタルになるんでしょう。でも時はHELLOWEEN登場以前、ジャーマンといってもACCEPTと同じく正統派HMを志すジャーマン。
本作はACCEPTの「BALLS TO THE WALL」が出た84年に同じく発表された1st。
SAXONのビフの声をレコードの回転数上げて甲高くしたような奇妙なヴォーカルが強烈な1曲目「FLY LIKE AN EAGLE」は名曲。
同じく心地良いスピードを伴って展開していく「SON OF THE FREEWAY」「FOR A GIRL」もたまらない。
一方ミドルテンポ系はどうなのかというと、地味ながらどれも印象的なフレーズを持ち、こちらも駄曲はなし。
このバンドはギターが特に素晴らしい。ソロタイムになると待ってましたとばかりに泣きを発するプレイは、正統派HMファンの琴線に触れまくる!力強く刻むリフも良い!
MATHIAS DIETHなるこのギタリストは後にU.D.O.に加入、持ち前のずば抜けたセンスで幾多の名曲を生み出しています。
最後に、奥野氏の寄稿文の話に戻りますが、彼はしっかりこのバンドの名前を出し、「好き」と言ってます。現在大学生の皆さん、こんなナイスなメタルファンにあなたもなって下さい/笑
推薦度:★★★☆




2. 火薬バカ一代 ★★★ (2015-03-08 23:50:40)

20世紀のU.D.O.を支えた名手マティアス・ディート(G)を輩出したことで知られるジャーマン・メタル軍団、'84年発表の1stアルバム。・・・と長らく思っていたのですが、最近になって実はこれ以前にも2枚ほどスタジオ・アルバムをリリースしてたと知り吃驚。まぁそっちにはマティアスは未参加で、音楽性も全く異なるプログレ/70年代HR路線だったらしいのですが。
ともあれ、心機一転の再出発作となった本作で炸裂するのは、墓石ばりの硬質さで刻まれるGリフ&リズムが、勇ましくもムサ苦しく突き進む、HELLOWEEN登場以前の独産パワー・メタルのど真ん中を行くサウンド。しかもありがちなACCEPT路線ではなく、SCORPIONS路線なのがミソ。
リフ/リード両面において華を感じさせるマティアス・ディートのGプレイも、本編から大味感を払拭するのに大きく貢献。特にパワー・メタル版“BLACKOUT”とでも言うべきOPナンバー①と、泣きを伴って熱く激しく盛り上がる④、そして⑥におけるセンス溢れるGソロを耳にすれば、U.D.O.時代「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と評された彼の卓越した演奏技術が既に完成の域に達しつつあることがよく分かります。(今じゃミュージシャン稼業から足を洗って法律関係の仕事してるって話は本当でしょうかね。)
「発情したカイ・ハンセン」チックな声質のVoが独特過ぎて好悪が分かれそうな所ではありますが、U.D.O.やSINNERといったマティアスが渡り歩いたバンド群が気に入った方ならば、こちらも押さえておいて損はなし、というか積極的に押さえるべし!な1枚。




3. 失恋船長 ★★★ (2019-01-09 18:49:36)

日本でも今一つ知名度を上げれなかった古参ジャーマンメタルバンドの3rd。デビュー時はもっと前衛的でプログレテイストの強い音楽性だったらしく、今作リリースの時点でオリジナルメンバーが不在的なバンドであり古参のヴォーカル、ベルティ・マイダンも元々はベースだったらしい?しかも2枚目のアルバムには不参加、3枚目の今作に復帰であり音楽性がガラリと変わったんだから当然ともいえるのだが、どうしてこのバンド名義で活動を続けガチンコのジャーマンメタルになったかは興味もありますね。
ややこしい経歴のバンドなのですが、彼らがマニア筋のメタルファンに愛される理由は剛毅なジャーマンスタイルのみならず、叙情性を塗した泣きの世界観を巧みに描き上げる点にある。ハロウィーン登場前の気骨のあるACCEPTスタイルとSCORPIONS路線ってのを掛け合わせたのがポイント。
パワフルなギターリフやズンズンと突進してくるグルーブも心地よく鳴り響き、ソロでは色気のあるプレイを魅せる。まさにへヴィメタルな美点が詰まっており、突き抜けるものはないが、グツグツと何かが沸騰するようなハイエナジーなサウンドではある。
個人的には、こういう垢ぬけないサウンドは大好物で、むしろこれをイケなきゃメタル聴いてもツマンナイよと言いたくなる一品であり、ある意味基本ともいえる音楽性だ。メジャー級のポップセンスや派手に走るのは、トム・クルーズ主演のスパイ映画と同じで、面白いし仕掛けも多いが、それは基本にはならないのでね。

初心者の方にこれをいきなり聴けとは言わないが、そろそろ自分のルーツ的なものを見定めたいと思うマニアには強くススメたい一品。歯応えのあるパワフルな演奏と情緒のあるメロディ、屈強なリズムは正にへヴィメタルの醍醐味、実直過ぎる為にメタルを聴かない人にとっては、もっともつまらない音楽性だろうが、稀代のメロディメイカー、マティアス・ディートの名前を広めた意味でも歴史的に大きい一枚。試す価値は十分にあると思いますよ。



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