PECCATUMの「Lost In Reverie」「The Moribund People」ではブラックの要素を残しつつも、ジャズやインダストリアル、アンビエント等の要素を取り入れた前衛的な音楽を作っていたため、もうIhsahnはそっちの暗黒芸術路線で行くのかと思っていたら、この作品は意外にもメタル要素がかなり強いアルバムになってました。
路線としてはEMPERORの4thの暴虐さを少し押さえて(それでも一般的なメタルよりは全然激しい)、「The Eruption」「Empty」「The Tongues Of Fire」等で顕著だった高貴な感じのメロディを更にパワーアップさせ、シンフォニックさを増した作風と言う感じでしょうか。 PECCATUMの3rdで見せたような音の響きそのものを追求しているようなサウンドは今回は控えめですが、それでもギターやキーボードのアレンジの細やかさはさすがIhsahnと言った感じで、過激さを求めて衝動発散の為に聴けるだけでなく、じっくり鑑賞しても楽しめる素晴らしいメタルアルバムになっていると思います。