Too Hot to Sleep以来実に18年ぶりとなるSURVIVOR名義の新作。プロデュースにFRANKIEの名しか載っていないのに一抹の不安を覚えたが、聴いてみたらそこはSURVIVORらしいメロディックロック&バラードのオンパレード! フランキーが前面に出てギター・オリエントな曲作りである点は前作の延長線上にある感じがする。流石に瑞々しさや煌めきは薄れたね。中心メンバーが50代ともなれば期待する方が無理というもの。この調子でアダルトなメロディックロックを続けて欲しかったのに、JIMI JAMISONよ、サッサと脱退しちゃうとは。まぁ彼もその2年後再び名を上げることになるから、敢えてどうこう言わない。SURVIVORもJIMIも、末長く自由にいい音楽を作り続けてもらいたい。 追記:JIMIの没後も折に触れて聴き返している。当時の事情や力関係はもはやどうでもいいこと。JIMIのソロ作と同率首位だヨ本作は。
泥沼の裁判劇を経て、正式にバンド名を背負ったフランキー・サリヴァン(G)がSUVIVORを再建。恩讐を越えてフロントマンにジミ・ジェイミソン(Vo)を迎え入れると(再結成当初はデイヴィッド・ビックラーも在籍)、スタジオ盤としては『TOO HOT TOO SLEEP』以来、実に18年ぶりに発表した8thアルバム。 ジム・ピートリック不在で制作された初めてのSURVIVORのアルバムとは言え、フランキー・サリヴァンとて、ギタリストとして、ソングライターとして長きに渡ってバンドを支え続けてきたオリジナル・メンバーの1人。名シンガー、ジミ・ジェイミソンの伸びやかな歌声を活かした、アルバム・カバーの世界をそのまま音に移し変えたようなOPナンバー①や、暖かみに溢れたバラード④、小粋でメロディアスな⑥(フランキーがリードVoを担当)は、そうした彼の矜持が強く感じられるナイスな逸品。 そんなわけで、1枚のメロディアスHRアルバムとしては非常に良く出来た作品なのですが、ただSURVIVORのアルバムとしては・・・フランキーのGをこれまで以上に前面に押し出し、ミッドテンポの楽曲中心に組み立てられた本編は、ハードな反面「高揚感を誘われる劇的なメロディ展開」や「胸躍るポップ・フィーリング」に乏しく、地味な印象は拭い切れない部分もあり。少しばかり物足りなさが残るかなぁ。 でも、折角ジミ・ジェイミソンがフロントマンの座に再就任したのだから(ロビン・マッコーリーがシンガーを務めるSURVIVORのアルバムってのも聴いてみたかったですけど)、一日も早く次の新作を宜しく。