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ELYSION ~ 楽園幻想物語組曲 ~ (2005年)
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ELYSION ~ 楽園幻想物語組曲 ~
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解説 - ELYSION ~ 楽園幻想物語組曲 ~

メジャー2枚目のアルバムで4th Story Album。

『Elysion ~楽園への前奏曲~』で初披露となった「Ark」「Yield」を再録し、「魔女とラフレンツェ」も別アレンジとして収録。しかも、エンハンスドCD仕様となっており、システムサウンド用のWAVファイルが収録されている。

実はジャケットを裏返すと「ABYSS ~奈落幻想物語組曲~」という別のタイトルが現れる。さらに、偶数番の曲の頭文字を辿ると…。なお、ABYSS側に歌詞も隠されているので探してみるのもいいだろう。
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コメント・評価

Recent 50 Comments



1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2006-08-16 08:53:00)

2005年発表のメジャー2ndとなるアルバム。

最初の印象は「何これ!?メタルじゃん!!」でした(笑)
1曲目のイントロがクラシカルなソロから始まったので…。勿論メタル的なアレンジだけでなく、ダンサブルなポップナンバーや民族音楽っぽい親しみやすいメロディの曲があったり、「幻想的」という共通点はあっても曲の振り幅は広いです。また、歌メロは起伏があって単調にはならず、アレンジもキーボードやヴァイオリン、ブラスなどをふんだんに用いた煌びやかなサウンドで聴き手の耳を楽しませてくれます。でも一番の特徴は、曲の至る所に挿入されているNHKのドラマを思わせるようなナレーションかも(笑)詞の3分の1くらいはナレーションに当てられているので、ちょっと好みが分かれそう。

ヴォーカルも柔らかな声質で幻想的な音楽に良く合ってますね。
他のレビューを読むと声量の無さが指摘されているようですが、私は力を抜いた発声をする事で幽玄さを醸し出しているんだと思います。中島みゆきさんや美空ひばりさんの歌う「Ark」を想像してみてください。こういう曲で声量を出すのは、なにか違うでしょ(笑)?

また、このグループはコンセプチュアルな世界観を得意としているようですが、このアルバムも一枚で一つの物語を形成しているようですね。奇数番号の曲が仮面の男(アビス)とその娘であるエル(エリス)のメインストーリー、偶数番号が娘の面影を求める仮面の男に見初められた狂気の少女達の物語となっているみたいです。この曲順のおかげで、まるで仮面の男の率いるパレードに次々と少女達が加わりながら、物語が進んでいくかのような感覚を覚えます。

物語の中には殺人はもとより、ネクロフィリアやインセストを思わせる描写もありかなり頽廃的。人によっては世界観が薄く感じる人もいるみたいですが、私はそんな事はないと思います。確かに月をルナ、星をステラと読んだりといった漫画のルビ的な表現、漫画チックなイラストがジャケに使われていたりと言った部分にチープさを感じる部分もありはしますが、コンセプト自体は良く出来てると思います。

例えばの話ですが、ジャケがウイリアム・ブレイクの版画絵のようなイラストで歌詞が全部英語で同じストーリーだとしたら、そういう人も批判しなくなるのではないでしょうか。結構見た目の世界観に惑わされてる人が多いんじゃないかと思います。ただまぁ、作中の登場人物が出来事を通してとはいえ、一足飛びに狂気に陥るのはちょっと…。私はどっちかというと狂気という「状態」よりも、そこに至るまでの精神的「過程」の方に惹かれるので。でもそこまで描いたら物語が成立しなくなっちゃうかな?

ともかく、こんなにシアトリカルという言葉が似合うグループって珍しいのではないでしょうか。曲を聴く以外でも登場人物の名前が何のアナロジーであるかなど、曲の考察をする事によっても楽しむ事が出来るので、聴き手と作り手の新しい関わりを提示した優れた作品であると思います。




2. さいたまの仙人 ★★ (2007-01-29 10:02:00)

何気にほとんど語りつくされているという真実(爆
ただまあ、同人時代から追っかけている人にとっては感慨深い作品なのではないでしょうか。
同名の先行アルバムにも収録された「Ark」「Yield」などを筆頭に、
殆ど捨て曲なしといったメロディのクオリティがこのアルバムの最大の強みでしょうね。
世界観は……僕ではついて行けないほど深みに入っているので、まあ細々と考えながら聴くと良いのでは。
こういう語り系の音楽に良くある「単語の詰め過ぎ」も特に起こしておらず、
しかも「Chronicle 2nd」のように語りで呑まれるような事にもなっていない、とバランスを考えるとやはり絶妙の一言に尽きますね。
Voのあらまり嬢がかなり神がかってます……「Thanatos」や「Chronicle 2nd」の時のように曲に追い付けない感じが完全に消え去り、
世界観の補強に一役買ってます。中には彼女が「声量が足りない」などと非難する方もいらっしゃるようですが、中々どうして
繊細な演技力でメタリックな曲から超アニメっぽい曲まで完璧にこなしており、
僕としてはやっぱりこの人が良かったですね……
それと、ナレーションで参加のじまんぐもなかなかいい仕事しています。#9では再び名ゼリフが!
というわけで、根っからのサンホラーならばもう文句無しの一品でしょう。はっきり言ってもう文句言うところが見当たりません。
強いて言うならジャケなんですかね……
僕にとってはYokoyan氏のジャケは好きなのとイマイチなのとありますし……
とは言え、視覚情報は名の通り「楽団」である彼らの楽曲群の解釈の決定的なツールにはなり得ません。
その辺を出来れば弁えて欲しいと思わせる発言が多いですね。
個々の楽曲というと、#1はかなりメタリックなイントロからあらまり嬢のアニメ歌唱という実にパンキッシュな……独特な、
メタラーへのアプローチなのかオタクへのアプローチなのか、何だかよくわかんない(大爆)所が良いです
#2はSH最強のキラーチューンと言って過言無いのでは?また、転調が美しい#3、曲名通りバロックな雰囲気の(適当)#4、
秀逸な歌メロを持つ#5、美しいバラード調の#6、レトロな雰囲気の疾走曲#7、色々救いようが無い#8、
かなり異色なアップテンポなパレード曲#9、#2と双璧となすほどの強力な疾走曲、かつあらまりの叫びが印象的(笑)な#10と、
息つく暇も与えられずやってくる美旋律の嵐、とか馬鹿みたいなことしか言えません;;
#11は総括ナンバー。これはまあどっちでも良いや。
まあ、このように……長いです(爆)。難点というと少し長い??長すぎる??事でしょうか。とは言え、あれよりはマシですがね……
あと、このCDを都内某所(笑)で買った時、CDは「Elysion」でありがら帯が「Abyss」であり、それが仕様だと気づかずマジで苦情の電話を入れようとしたことは秘密です(笑
つまり帯が両面刷りで、歌詞カードも「Elysion」と「Abyss」で裏表互い互いになった実に凝った作りです。
経験の浅い僕がほざくのも憚られるのですが、結構プログレっぽい匂いがします。
とは言え、特に難解と言うほどでもなく、あっち行ったりこっち行ったりの音楽性は90年代筋少に通じる所もあるように感じます。
ただ、やっぱり素人と言うか、POP好きな人がいきなり聞くのはちょっとキツイ気もしますね……
とりあえず、まあ買ってみると言うことで……(笑
ちなみに、このCDをアマゾンで買いたい場合、ソフトウェアで探さないと買えませんよ




3. カズチン ★★ (2007-03-18 21:02:00)

うわぁ、お二方スゲェ語ってんな…
同じような言葉を書き込むと思うけど、とても気に入ったんで書き込んどきます。
ストーリーアルバムなんだけど、内容はUsherさんが語った感じなんでしょうね。
そして仮面の男「ABYSS」のエゴにより、理想の娘「ELYSION」を求め続け、
これからも心を痛めた少女を連れて行くんだろうなぁ…なんて思ったり、違うか?
楽曲は「ark」のようなメタリックな曲や「yield」のような牧歌的な曲、
「stardust」のようなポップスともアニソンとも取れる曲があったりと、個々の曲が個性を持ってる感じ。
次作の「roman」のように曲単位で激しい曲展開が少なく幾分聴きやすい。
でもストーリー(歌詞)が悲しく切なく、それこそ救いようがないものもあるので
一般的なJ-POPリスナーはそこで引いてしまうかもしれん、慣れない語りや台詞もあるしな。
ただ個人的にはその悲しいストーリーが非常にツボにハマってしまい、
一時期仕事中にこのアルバムのことを色々考え、仕事のことを全く考えずに
身体に染み付いた感覚のみで無意識に仕事するダメ社員でした(笑)。
あとはあらまり嬢の歌声がすごいお気に入り、一人で様々な声色も使えてるし。
このありまり嬢のたった一人での表現力を目の当たりにすると、次作の「roman」の賛否がよく分かります。
じまんぐ氏も「roman」の時よりもこちらの方が圧倒的にハマってますね。




4. オリンピア ★★★ (2013-12-09 00:56:41)

同人的な匂いも残しつつ
とてつもなく濃厚で深淵な世界がひろがり、
未だに支持者が多いのも頷ける。


やはり何と言っても、
あらまりの正に八面六臂のアクトは
その振りきり方もふくめ強烈だ。

(jimangさんも人外な雰囲気で名演)


エルSideとAbyss Sideの曲を対比させた
構成も鮮やかで

メタリックなギターも顔を出すサウンドと共に、
様式美と言える構築具合が壮麗ですらある。


Roman以降も大好きなので
この作品にそれほど思い入れはないが、
それでも
もう一枚くらい頑張って欲しかった気も。



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