1990年に結成された、アメリカ合衆国ワシントン州シアトル出身のロック・バンドである。
グラミー賞受賞、アルバム4枚がビルボード誌に初登場1位(2013年時点)、CDセールス最速記録がギネスに認定されるなど、社会的・商業的成功をおさめている。
1990年代前半、シアトルを中心として従来のMTVを中心とした商業主義ロックに反抗するオルタナティヴ・ロック・ムーブメントが若者を中心に大流行し、SoundgardenやNirvana等と共にグランジ・ロックと呼称されて世界的にも反響を及ぼした。その中でも、Pearl Jamは当時のジェネレーションXたちの苦悩の代弁者とまで評され、その世代の旗手として位置づけられていた。
ローリングストーン誌が行った90年代を代表する曲というテーマの読者投票では、「Black」が選ばれており、2005年にUsa Today誌が行った最も偉大なアメリカのロック・バンドというテーマの読者投票では、Eaglesなどの大御所を抑えてPearl Jamが選ばれるなど、アメリカの一般聴衆からの評価は高い。欧米での人気に比して、アジア地域では明白に人気が落ちる。
『Ten』『Vs.』『Vitalogy』の初期3作品がグランジ・ロックを代表するアルバムといわれる。同時代の他のグランジ・ロック、オルタナティヴ・ロックに多いデカダンス的な表現は少なく、中期の作品を除いておおむねストレートな王道型のロック・サウンドを主流にしている。もっとも、3作目を中心にして「重々しさ」や「深刻さ」の表現に関して特徴がある。総じて、従来のロック・ミュージックのカテゴリーではヘヴィ・ロックに最も近いサウンドである。また、各アルバムにおいては静と動のコントラストを際立たせる構築になっている。
Eddie Vedderの歌声は低域に特徴があり、抑揚に富んだボーカルが最大の特徴になっている。二人のギターリストを擁しボーカリストもギターを担当することもあるが、複雑なコード進行や難易度の高いギターソロを前面に押し出すのではなく、全体の一体感を保った上でほとんどの楽曲の中核にEddie Vedderの歌唱を据えている。
チケット・マスターとの法廷闘争など、ファン・サービスに力を入れるバンドとして有名である。ライブ・ビデオのリリースが多いのはブートレッグ版対策の意味合いが大きい。ブートレグは非常に多く、メンバーのJeff Amentもインタビューで「趣味はPearl Jamのブートレグを集めること」とジョークにしたほどである。結果72枚のライブアルバムをリリースし、次いで当初の構想であったインターネット販売に切り替えられた。これは公演終了後24時間以内に音源をダウンロード販売し、後日CDも郵送するというサービスで、これにより200タイトル以上の公式ブートレグを販売している。
CDの総売り上げはアメリカ合衆国内だけで3,150万枚、世界で6,000万枚以上とされる。
Band members (リーダーはStone Gossard)
Jeff Ament – bass guitar (1990–present)
Stone Gossard – rhythm and lead guitar (1990–present)
Mike McCready – lead guitar (1990–present)
Eddie Vedder – lead vocals, rhythm guitar (1990–present)
Matt Cameron – drums (1998–present)