ブックオフのCDコーナーで投げ売りされていたところをレスキューしたOMENのベスト盤(’89年)。これって日本盤がリリースされてたとは知りませんでしたよ。 ジャケットが3rd『THE CURSE』(邦題『殺戮の祈祷』)のそれと間違い探し状態なのは「もうちょい頑張れなかったのか?」と声掛けしたくなるとは言え、ケニー・パウエル(元SAVAGE GRACE)の構築美を湛えたGプレイ、ジョディ・ヘンリーのスティーヴ・ハリス思わすBラン、そしてJ.D.金玉…もといキンボールの逞しい歌唱によって形成される、硬質なOMEN流パワー・メタル・サウンドは、やはり聴き応え十分です。 選曲はオリジナル・ラインナップが残した初期3作&EP1枚からそれぞれバランス良くチョイス。ドラマ性とスケール感をいや増した楽曲の完成度的にも、シンガーを始めとするメンバーのパフォーマンスの熟達ぶり的にも、やはり3rdアルバムからのものが傑出している印象ですが(特に“HOLY MARTYR”や“TEETH OF THE HYDRA”は名曲)、しかしながら1st『BATTLE CRY』、2nd『WARNING OF DANGER』収録曲も、こうして改めて聴き直すと十分イケてるなぁと。スラッシーなスピード感で畳み掛ける“TERMINATION”とか、エピック・メタル的荒々しさ漲る“DIE BY THE SWORD”とか。昔耳にした時はあまり感心した記憶がなかったのですが、あの頃の俺は一体何が気に入らなかったというのか…。 こりゃ確かにOMEN入門盤にお薦めできる1枚ですよ。