1981年、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市にて結成されたスラッシュメタルバンド。
当初はギタリストのScott IanとDanny Lilkerによって結成された。幾度ものメンバーチェンジを経て現在に至る。彼らのバンド名は英語で「炭疽菌」を意味する「Anthrax」。この名前は結成時にスコットらが百科事典でたまたま見つけた単語であり、「アンスラックス」という語感やスペルから、「これはメタルだ!!」と感じられたことから、バンド名に採用されたものである。
同時期にデビューしたMetallica、Megadeth、Slayerと並んで、スラッシュメタル四天王(Big 4)と称された。現在はスラッシュメタルのジャンルにとどまらない独自の音楽性によって全世界に多くのファンを得ている。
スラッシュメタルがAnthraxの音楽性の基盤にあったのはJoey Belladonnaの最初の脱退(1992年)までである。この時期、その音楽にファンクやインディアンのビートを取り入れるなどして新しいスタイルの構築に成功した。これにより、バンドは、後に登場するラップ・ロック、ラップ・メタルの先駆的な役割を果たすことになる。1991年には、ヒップホップグループの雄Public Enemyと共演し、シングル『Bring the Noise』をリリース。ヘヴィメタルとヒップホップという異なるジャンルを見事に融合させ、ラップメタルという新たなジャンルを開拓した。
しかし、1990年代に入ると時代の流行はヘヴィ・メタルから、彼らがその先鞭をつけたオルタナティヴ・ミュージックへと移行し始める。その結果、彼らの音楽性は時代に翻弄されていくことになった。John Bushにヴォーカルが交代した1993年の6thアルバム『Sound of White Noise』では彼らが持っていた攻撃性とモダン・ヘヴィネスを融合させた作品で、ビルボードのアルバムチャート7位というバンド史上最大のヒットとなるものの、1990年代中期以降はメジャーレーベルが彼らとの契約を切り、バンドは地道な活動に終始せざるを得なくなる。
2001年にはアメリカ合衆国同時多発テロに伴う炭疽菌騒動によるバンド名変更の危機を乗り越え、2005年にはDan SpitzとJoey Belladonnaが復帰し、1987年の代表作『Among the Living』リリース時のメンバーでラインナップで活動を再開。以後もメンバー交代は度々行われているが、Corey Taylorとのコラボやスラッシュメタル四天王での「The Big 4 Tour」などのイベントを含め精力的に活動するようになっている。
世界総売上げは1,500万枚以上。
Current members (リーダーはScott Ian)
Scott Ian – rhythm guitars, backing vocals (1981–present), lead guitars (1981)
Charlie Benante – drums, percussion (1983–present)
Frank Bello – bass guitar, backing vocals (1984–2004, 2005–present)
Joey Belladonna – lead vocals (1984–1992, 2005–2007, 2010–present)