セカンド・アルバムにして最高傑作・或いはブリティッシュ・ジャズ・ロック史上最重要作と謳われる名盤。ファースト・アルバムに比べパワー、テクニック、曲の構成力等は更に磨きがかかり、プログレッシヴ・ロックとしての評価も高い。前作同様ジャズ、ブルース、ハード・ロック等様々なエッセンスを持ち込みながら、彼ら独自のサウンドに仕上げているところは流石と言うしかない。最大の聴き所は、アナログ盤ではB面全てを使った3部構成の組曲であるタイトル・チューンだ。ジョン・ハイズマンの手数の多いドラム・プレイは圧巻だが、演奏を先導しているのはデイヴ・グリーンスレイドのテクニカルなキーボードと、泣きのメロディーで聴く者を引き込んでしまうディック・へクストール・スミスのサックスだ。また、プロデュースも兼ねるトニー・リーヴスの縦横無尽のベース・プレイも聴き逃せない。'69年という時代において、文字通りジャズ・ロック、プログレッシヴ・ロックを先導していた彼らの存在を知らしめただけでなく、シーンに永久にその名を留める作品として聴き次がれていくだろう。尚アメリカでリリースされた"The Grass Is Greener"はジャケットが本作と類似しているが、内容は一部が重複、残りは異なるので要注意。アメリカ独自の編集盤なのだが、もちろん此方も素晴らしい内容だ。