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1.
Usher-to-the-ETHER
★★
(2009-01-06 19:02:00)
95年発表の音源集。90年のデモ2本と91年のEPを収録したもの。2007年にボーナストラックを1曲追加し、Southern Lordより再発。
このバンドは数あるエクストリームメタルの中でも、最もマニアック(=普通のリスナーは付いていけない)な音楽性を持っていると専らの評判で、SILENCERやSTALLAGGH同様にネット上のレビューを検索して読んでるだけでも結構楽しめてしまったりする位なんですが…この時点ではまだまともに邪悪さや暗黒を表現している感じですね。
ドゥーム/ドローンに通じる引き摺り系ギターリフによってどす黒い音像を演出しつつ洞窟の中から響く獣の声ようなデスヴォイスによってそれを引き立てていく作風で、確かにSouthern Lordが着目したのも大いに頷ける音楽性。展開も一応付けてますが、その付け方がオルガンをギャーっと鳴り響かせたり、突然偏執的にドラムを乱打したりなどいちいち精神に来るようなものが多く、やっぱりカルトな音楽性であることには間違いありません。
葬式ドゥームのような物悲しいメロディもなく、ひたすらに病み切り、どす黒く澱んだ空気感で勝負している感じ。ただ、邪悪さや病的な雰囲気を求めるリスナーまで拒絶するようなマニアックさではなく、しっかり黒さの伝わりやすい音になってはいるので、そういうものを求める人なら聴いておいて損はないかも。
このバンドの創始者のIT氏は、人間の名前をもてないほど邪悪な存在だから「IT」を名乗ってるらしいですが…いかにもそういう感性の持ち主が作った感じの音。でも90年の時点でこういう作風って、IT氏もかなりの才能の持ち主では…彼はDISSECTIONのJonに脅迫されて音楽シーンを去ったという噂もあるみたいですが、今だったらWORSHIPやSUNN O)))辺りのドゥーム/ドローンのブームに乗って高く評価されてもおかしくないんじゃないかと思います。
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