一聴した感想は「あれ?こんなバンドだったかな?」である。お得意の中近東的なフレージングは勿論、ミケル&モルケン兄弟による阿吽の呼吸から繰り出されるシュレッドギターのクールさ、繊細でいながらも攻撃性の高い構築美豊かな楽曲はグイグイと聞き手を魅了していくのでしょうが、欧州産ならではの叙情的なメロディを配したパワーメタル風の路線もあり作風の幅を広げたような聴きやすさが、癖が強い独自のカラーとの折衷を上手く果たしているのが最大の聴きどころ。作風的にも『Metal Mind Productions』らしさもあり、色んな意味で納得でしたね。キレ味鋭いリフワーク、迫力のあるサウンドは普遍性を纏い更なる勢いを増しながらも、聴きやすく仕上げた手腕は見事ですね。ベテランスラッシャーここにありかな。