スタイル自体はブラックメタルの一つの王道とも言うべき物ですが、やはり彼って才能あるミュージシャンですよね…他の鬱ブラックと比べても、曲の印象度や凄みに、明らかな違いがあると思う。特にそれが感じられるのがメロディ。以前の曲では「Dunkelheit」「Det Som Engang Var」「Spell of Destruction」などに顕著でしたが、彼の書くメロって鬱々としているだけではなく、北欧神話に隠された闇の部分を語るかのような、神秘性もあると思うんですよね…大袈裟に言ってしまえば、「哲学的な雰囲気がある」というか(笑)。
評価に迷う、というのが正直な感想。 でも、個人的にすごく良かった。DISSECTIONの復活の時に感じた「言いようのない喪失化」みたいなものは皆無で、長いトンネルを抜けてきたカウントは、初期のあの唯々勢い勝負の頃とは全く違う、真にBLACK METALで全身武装したカルトとして降臨した感じ。あぁ、これがカウントの示す「回答」なんだろう。そしてBLACKという大きな流れの中でやっぱりキーアルバムとなるであろう。BLACKの、インナーサークルの、アンチキリストの、哲学的、精神的拠り所。この冷たい戦いが続くことを期待。DISSECTIONの二の舞だけはごめん。 先般東京MXで「UNTIL THE LIGHT TAKES US」を放送していましたが、あれは衝撃だった。カウントのあの冷ややかな闘志、彼の信じる静かなる聖戦、彼をとりまく冷たい空気。まさにGOD of BLACK。彼はやっぱり危ない。真に危ない。ファッションでもスタイルでもない。やっぱり彼には誰も近づけない。氷の大地に深く刺さる孤高の剣のよう。