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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2010-05-15 20:30:00)

2010年の3rdアルバム。
メディアがプレスCDにレベルアップすると同時に、値段もメジャー価格に…(笑)。「I don't wanna die...」では、メロデスとメロブラの中間のような音楽性でしたが、今作は完全にメロデス方向に舵を切ってきましたね。

…しかしこの作品、メロデスとしてもかなり特異なのではないでしょうか。
前作でも素晴らしかったメロディが更に前面に出され、終始メロディアスなリードギターが楽しめる作風に。しかも、このリードギターのメロディが一般的なメロデスよりもかなり歌メロ然としてるんですよね…。勿論、ギターによるメロなので、歌うには難しいメロも当然あるんですが、A→B→サビ的な流れの良さが歌モノっぽいです。
Aメロから泣き全開のクラシカルな歌謡メタルを、歌メロ部分をギターに置き換えて、各メロに対応する歌詞をデスヴォイスで乗せたら、こういう音になりそう。

…メロデスって、例えば「美と醜の対比」「リフの美学」や、「エモーショナルなギタープレイ」など、メロディそのもの以外の魅力も取り入れることで、初めて名盤たる質が備わると思うんですが…このアルバムは、メロディだけを取っても十二分に名盤と言える質の高さがあると思う。
例えば、メロデスの金字塔であるARCH ENEMYの「Burning Bridge」やクサメロデスの名盤、SERPENTの「xGODx」でも、収録曲をオルゴールのみのアレンジしたら退屈になると思う。でもこのアルバムは、例えそういうアレンジでさえ、全編聴かせてしまう程メロディの質が高いです。
…念の為言っておきますが、決して「メロディだけ」の作品ではないですよ。ライブバンドだけあって、演奏それ自体もかっこいいです。

ただ、プレスCDになったのにも関わらず、相変わらずデモのようなダイナミクスに欠ける音質だったり、ヴォーカルが迫力のない声で棒歌い(棒叫び)してるのはマイナスですね…。これで良いレコーディングエンジニアが付いて、ヴォーカルが良くなればそれこそ唯一無二のバンドになると思うんですが…。まあ、ギターメロを聴かせるために、敢えてヴォーカルは抑えてるのかもしれませんが。

楽曲に関しては、既に天上天下唯我独尊ってレベルです(笑)。
帯の「メロディックデスメタルの常識を覆す」が、全くハッタリに聴こえない作品。こんなに、歌メロ的にリードギターを用いたメロデスは初めて聴きました。



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