ただ、このバンドがVBEと大きく異なるのは、キーボードが曲の大きなウエイトを占めている点。曲の不気味さを更に助長するかのように包み込むアトモスフェリックな音、独特の美意識の感じられるピアノ、ストリングス、メロトロンなど、メタルで良く使われる音色の他にも、UFOが飛行するときのSE風の音色など変わった音も取り入れられていて面白い。曲名にも「The U.F.O. Is Leaving」なんてものがあるし、こういう宇宙とチャネリングするかのような感覚は、NEPTUNE TOWERSからの影響が強いのかも。このキーボードが、それぞれの曲に更なる個性を与えてますね。
VED BUENS ENDEと比較すると、曲が割と聴きやすく、1曲1曲もキャラが立っている感じで、個人的にはVIRUSの「Carheart」やWINTERBLUTを引き合いに出したい音。CYNIC好きにも推薦できるとは思いますが…CYNICはメタラーなら取り敢えず聴いておく価値ありな音なのに対し、こっちはある程度マニア向けだと思う。展開が複雑とか、予備知識・音楽的知識がないと楽しめないという意味ではなく、波長が合わないと理解出来ないだろう、という意味で難解。私は当然バッチリ合いました(笑)。