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1. Usher-to-the-ETHER ★★ (2010-08-27 23:27:00)

2010年発表の1st。
Maniac氏を追っている人にはお馴染みのCURRENT 93も参加。

最近、SKITLIVを立ち上げたり、DEADWOODに参加したりなど、Maniacの興味はファストでエクストリームなメタルで直截的な暴力性を追求するよりも、アヴァンギャルドな手法でより深いサイコ性を表現する方向に向かっている印象がありますが…上記の2バンドよりも更に深くその方向を押し進めた作風で、ほぼ完全にノイズ/アヴァンギャルドにカテゴライズされるような音になってますね。

頻度は多くはありませんが、太い響きのリフがフリーキーに鳴り響くパートがあったり、近年のEARTHにも通じるブルージーな雰囲気の曲があったり、少しドゥームロックからの影響を感じる部分も。それがあることで、アルバム全体の雰囲気も更にサイコめいたものになっている気がします。また、今作ではManiac自らがフィールドレコーディングを行い、街の音がサンプリングされた曲があったりして、何処かアーバンな雰囲気もありますね。
都会の生活に潜む狂気という感じ。

今作ではヴォーカルが加工されていたり、ポエトリーリーディングが多かったりで、Maniacの「あの声」を求める向きには多少物足りないかもしれませんが…やはり近年の彼のパフォーマンス特有の、サイコパス的な狂気が感じられて素晴らしい。作風の極端さもあって、彼の描く狂気的な精神世界を彷徨うような作風に仕上がっていると思います。最近のManiac関連の作品に顕著な、「乾いた異常性」が強く感じられる作品。



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