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IWSKさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1-100

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IWSKさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1-100

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BLIND GUARDIAN - A Night at the Opera ★★ (2016-03-03 22:55:14)

一体何トラックにおよぶ多重録音だと言いたいくらい音の圧力がすごく、クワイアも過去最大級のものとなっている。ひたすら練り込んだというのは分かるが、一曲一曲が長く曲構成が複雑なため初期ファンが遠ざかる要因を作ってしまっている。ある程度耳が肥えている人や感性が人数倍優れている人、音楽理論が分かる人しか理解出来ないだろうな。


和楽器バンド - ボカロ三昧 ★★ (2016-02-27 22:14:18)

このバンドの大きな個性はバンドに和楽器を取り入れたことで、この発想自体が面白い。プレイヤー全員が高い技術を身につけているので演奏面は問題なし。今作は全てボカロのカバーで、実力のある女性Voをフロントに立てることで原曲の機械じみた声が苦手な人にとっても聴けるものになっており、全てのパートが生演奏のため曲の輪郭がよりはっきりした。ただロックと伝統音楽の融合という割には和楽器の割合が高くバンドサウンドが引っ込み気味であることは惜しい。女性Voも上手いのは分かるがビブラートを多用しすぎるので少しうっとうしい。


SOILWORK - The Chainheart Machine ★★ (2016-02-16 22:25:23)

鋭利かつ近代的なリフでまくしたてる本作は彼らの中で最も攻撃的だと思う。ばらつきがあった前作より方向性がはっきりしコンパクトでタイトなものになった。クリーンパートはないけれども印象に残るメロディは存在している。このままでいっても良かったと思ってしまうくらいだから初期を懐かしむ人の気持ちが一層分かる気がした。


NOCTURNAL RITES - New World Messiah ★★ (2016-02-12 23:41:59)

前作は評価が分かれた4th路線ではなく3rdに戻った部分が見られたが、いまいちパッとしない印象を受けた。しかし今作はそんなことはなく、より正統派に近づきVoの声質が最も活かされるものになった。特に序盤の曲はメタルとは何かを端的に示したものだと思う。次作以降から疾走チューンは封印されるので今作が最後となってしまったのは惜しい。


黒夜葬 - ∵Ga[Я]deN∵ ★★ (2016-02-06 23:44:10)

この頃はメタルとトランスどっちもやっていたが、双方ともゴシックを基調としチェンバロやストリングスを多用している。東方は元のメロディがクサく、ゴシックアレンジを施したらさらに良くなるということを証明している。重厚さは感じられないため迫力に欠けるが、この手を好むリスナーのツボは抑えていると思う。


STRATOVARIUS - Fourth Dimension ★★ (2016-02-05 23:42:18)

コティペルトが加入しただけなのに、全ての面において前作よりパワーアップしている。一番の成果はソングライティング能力が増し、キラーチューンが増えたことである。中には浮いた曲もあって全体としての完成度は今一つだが、シーンを引っ張っていく素質はこの時に覚醒したと断言出来る。


CONCEPTION - In Your Multitude ★★ (2016-02-04 23:34:40)

技術面においては本作が一番で、プログレにしては比較的分かり易い部類に入る。ただ冒頭から分かるようにこの方向に進んだのは失敗だと思う。これだとメロディの良さが減退するばかりかロイの魅力を殺しているようなものだ。そして曲がまあまあの出来なので人気が落ちるのも分かる気がする。


KATATONIA - Night Is the New Day ★★ (2016-02-03 23:53:25)

彼らの最高傑作とかねてから言われていたが本当にその通りだ。ダークな曲調に穏やかなVoが合わさる姿は、鬱、暗黒系ゴシックの完成形である。とは言え完全にそちら側とは言い切れず、どこか清涼感漂う部分がある。また今まで足りなかったモダンなへヴィさが見られるようになり、少し起伏のあるものになった。スロー、ミドルの主体、メロディのとっつきにくさは相変わらずなので、そこをどう捉えるかが評価の分かれ目だ。


CONCEPTION - Parallel Minds ★★ (2016-02-02 23:47:36)

散漫な前作とは違い今作はよりまとまりのあるものになったと思う。楽曲は少しプログレに近づいたが比較的ストレートである。ロイの声はここで基盤が出来上がり音そのものにも影響してくる。本作に神秘的な部分が見られるのはそのせいだろう。


UNSUN - The End of Life ★★ (2016-02-01 22:41:28)

楽器隊が全員デスメタル出身者なのでその手の音になると思ったが、フロントに女性を置いていることから分かるように予想とはかなりかけ離れた音になっている。少しゴシックの要素が入っているが、基本的にポップで聴きやすく、女性Voの声も親しみやすい声だ。それゆえメタルアルバムとしては物足りず、平均越えで止まっているものが多いが、Mauserの扇情的なギターソロは聴く価値があると思う。


ORIGIN - Antithesis ★★ (2016-01-31 23:43:54)

この作品一番目立っているのはドラムで、ブラストビートを目にもとまらぬ速さで正確に叩いており、この部分においては達人レベルである。また手数、足数が多い点も良いことだと思う。これだけ高度なデスメタルを演奏するなら技術の高い人間が求められるのは当然で、他のメンバーもかなりのテクニシャンであることが分かる。同じような曲が並ぶがテクニカルなデスメタルとしての水準は満たしている。


LOST HORIZON - Awakening the World ★★ (2016-01-30 23:40:42)

これはとにかく熱い。本当に純粋な正統派メタルでハイトーンボイス、疾走感、勇ましさ等メタルに求められているものがこの一枚に詰まっている。やはり③が一番かっこよく、彼らはもちろん全メタラーのアンセムそのものである。③の影に隠れがちだが他の曲も高品質なものばかりだ。


KATATONIA - Discouraged Ones ★★ (2016-01-30 00:07:24)

全編ミドル、スローの気だるい曲で占められており、ボーカルも音楽性に合わせたような声で終始歌うから、聴いているこちらからすれば退屈の何物でもない。これは攻撃性を意図的に排除したか、このような音楽性を進んでやっているかのどちらかだろう。鬱や切なさを感じる部分は少なく、シンプルなゴシックロックと言えば聞こえがいいが、一歩間違えるとオルタナになってしまう。


NOZOMU WAKAI'S DESTINIA - Anecdote of the Queens ★★ (2016-01-30 00:06:44)

ここ最近注目されているギタリストということで聴いてみた。テクニカルでメロディが良いことはもちろん、今作のように正統派をベースにしながらバラエティ豊かな楽曲を書けることからコンポーザーとしての能力も優れている。また、リズム隊が完全にHR/HM出身者なので安定したプレイが聴ける。本作の特徴は、二人の女性Voである。Fukiは、Unlucky Morpheusを聴いているから高い歌唱力の持ち主であることは当然分かっており、本作でも十分に実力を発揮している。一方榊原ゆいもFukiに劣らない素晴らしいシンガーで、アニソンやゲーソンとは違った一面を見せてくれる。特に後者が歌う曲はPhantasmのキャラソンでも良かったと思う。中には女性Voを受けつけない人もいるだろうから、そんな人にはボートラを聴いてほしい。


FEAR FACTORY - Demanufacture ★★ (2016-01-27 23:51:16)

機械のような正確さで刻むリフとリズムがとにかくへヴィでかっこ良く、一切のブレがない。ギターソロ、フィルインを意図的に排除し、効果音を盛り込ませることでよりサイバーなものにしている。また、クリーンとデスを使い分けるボーカルスタイルも当時は革新的だったに違いない。リリースが約20年前にもかかわらず近未来的な内容で古臭さを感じさせない。インダストリアルメタルの先駆者として時代を切り開き、多くのバンドに影響を与えたことがこの一枚で分かる。


ELUVEITIE - Slania ★★ (2016-01-26 21:30:24)

フォークメタルなので民族楽器が大活躍して当然だが、このバンドはメロデスの影響がかなり強い。叙情リフやデスボ、疾走感なんかはメロデスそのもので、みなさんがおっしゃるようにダートラに民族音楽をプラスしたような音楽性のため、エクストリーム系を好むリスナーにアピールできる仕様になっている。この手は牧歌的なもの、ストーリー性があるもの、飲んで騒げるものでもいいが、このバンドのようにアグレッションを追加しバンドサウンドと民族楽器の調和を図るやり方もいいと思う。


DISSECTION - Storm of the Light's Bane ★★ (2016-01-25 23:57:01)

トレモロリフ、ブラストビートというブラックメタルになくてはならないものがある一方、このバンド独自の特徴はシンセを一切使っていないのにメロディアスだという点で、よくギターで表現出来たなと思う。爆走するのはいいがややタイトさに欠ける、曲に面白みがないという欠点はあるが、それらを帳消しにするほどメロディセンスが高い。極寒の大地で死神が佇んでいるジャケットがこの作品を物語っている気がする。


Lacroix Despheres - Scivias/passiflora Caerulea ★★ (2016-01-24 23:48:39)

一曲目は生のオーケストラを取り入れ、ドラマティックで疾走感のあるシンフォニックメタルとなっている。メンバーにフルートやオーボエといった管楽器奏者がいるせいか、バンドサウンドではなくオーケストラに使用する楽器の主張が強いのも面白い。また、テノール男性Voとソプラノ女性Voの掛け合いも聴きどころだと思う。二曲目は一曲目と対照的なしっとりとした曲で、女性Voの良さが前面に出でいる。V系でオペラティックなバンドはあまりいないので彼らにはこの方向性を貫いてほしいと思う。VersaillesやMoi Dix Moisが好きな人におすすめ。


CRYPTOPSY - CRYPTOPSY ★★ (2016-01-22 23:46:06)

Cryptopsyはこれから聴いたのでみなさんがおっしゃるように原点回帰したと言われてもピンとこないが、音楽性はデスメタルそのものであるしバンド名を冠したタイトルだからその通りなのだろう。唐突にジャズが入る曲があるものの、エクストリーム系を上手くブレンドしセンス良く組み立てている。中でもドラムが素晴らしく複雑なプレイを軽々とこなしている。この人がいるからこそプログレッシブで攻撃力の高いデスメタルが成り立つのだと思う。


CRUCIFIED BARBARA - 'Til Death Do Us Party ★★ (2016-01-21 23:49:44)

前作はパンキッシュで骨太なHRという印象を持ち、今作はそれをさらに進化させHMの要素を強めたと思う。その証拠にアップテンポな曲が増えたことや、女性とは思えない強靭で媚がないパフォーマンスが挙げられるだろう。課題は図太いサウンドに対してメロディが弱いところで、そこをクリアすればより深みのあるオールドかつモダンななHR/HMを展開できるだろう。マッツ・レヴィンがゲスト参加したのだから高い能力を持っているバンドだと思う。


CONCEPTION - The Last Sunset ★★ (2016-01-20 23:42:31)

Kamelotの方がいいと言えばそれまでだが、あの妖艶な歌唱力はここでも聴け、バラードになると本領を発揮していると思う。中心人物はギターで、フラメンコ風のフレーズが最も印象に残った。北欧らしい湿り気のあるメロディはいいが、楽曲の出来はそこそこが多いため微妙な仕上がりなのが残念。


ADAGIO - Underworld ★★ (2016-01-19 23:51:39)

ずっと探していたものがやっと買えた。音楽性はSymphony Xと似たような部分があるがこちらの方がクラシック寄りのため敷居が高い。本作で加入したキーボードはプレイを聴くかぎりクラシック出身者だと思ったが、本当にその通りで、彼の奏でる旋律は正確さと美しさの両方を兼ねている。もし、彼がいなかったらここまで上品で高貴なプログレになっていなかっただろう。大作志向のものが多くてこの手が苦手な人は手に取りたくないかもしれないが、メロディや曲展開は決してつまらないものではないからコンポーザーの能力に終始脱帽する。一曲だけでもいいから聴く価値はあると思う。


PRETTY MAIDS - Spooked ★★ (2015-12-29 23:42:45)

前作は微妙なもので低迷の兆しが見えかけたが、本作ではそれを払拭するかのような完成度を誇っている。やはり彼らにはメロディアスで疾走感のあるメタルが似合い、ファンの期待通りの仕上がりになった。かつてのような輝きがないため本作は地味な位置づけになってしまったが統制のとれたものであることは確かだ。


キバオブアキバ - Yeniol ★★ (2015-12-25 23:52:35)

歌詞の内容は現代社会に生きる若者、特にオタクが共感できるものが多い。音楽性はやや複雑な部分があるが、基本的にはナード色の強いスクリーモといった感じである。ただこのままでは不十分で特にVoが頼りない気がする。


AT VANCE - The Evil in You ★★ (2015-12-16 23:47:50)

ここにきてボーカルチェンジがあったが前任者と似たタイプなので問題なく、基本的に今まで通りの路線である。ただその影響で音楽性に微妙な変化が見られたがこれくらいは許容範囲。前作が名盤のためこれのインパクトが弱くなってしまうのは仕方のないことだと思う。やはり平均越えで評価が止まっている楽曲が多すぎるのと、ベター過ぎるカバーのチョイスが原因か。


TO/DIE/FOR - Samsara ★★ (2015-12-12 23:22:15)

長いブランクがあったが、そんなことを吹き飛ばすかのように過去の路線を踏襲したゴシックロックをさらに発展させている。変わったなと思ったのは曲のバリエーションが増えたことである。にもかかわらずクオリティ維持し、主要メンバー脱退の穴を塞いでいる。また過去作よりHR/HMの要素が強まったのも個人的にはいいことだと思う。


SYMPHONY X - The Divine Wings of Tragedy ★★ (2015-12-10 23:49:50)

一曲目がPantera風のリフでこれ以外にもそういった部分が見られたためモダン化の道を辿ったと思った。しかし彼らの本領はネオクラ、プログレといったジャンルである。今作は新たなものと既存のものを足して自分達の音楽を進化させることに成功した。王道を行くものから大作、バラード等過去作に比べて音楽性の幅も広がった。


SHADOWS FALL - Of One Blood ★★ (2015-12-08 23:41:36)

メタルコアバンドでありながらツインギターの特性を惜しみなく利用し、しかもギターソロを重視している時点で同系統のバンドとの違いを打ち出している。またリフがザクザクしていることからスラッシュメタルの影響が強い。2ndなのに早くオリジナリティを確立したと思う。


TO/DIE/FOR - Epilogue ★★ (2015-12-07 23:48:44)

ニューウェーブの要素を取り込んだと書いてあったので少し不安になり、結果HR/HMの要素が減退したという形で不安は的中した。しかし前作収録の一部の曲ではそういった要素が見られたので自然な流れだと思い直し、作風も暗いものから明るいものになったので聴きやすくなったと思う。シークレットトラックで同じフレーズが延々流れるのは何の意図があるのだろうか。


POWER QUEST - Master of Illusion ★★ (2015-12-06 23:40:51)

かつてのように爽やかかつキャッチーで疾走感のある曲は減ってしまい、つまらないものとなってしまった。その最大の要因がメロハーへの傾倒で、もはやメタルではない曲が目立ってきた。裏返せば成熟したということなのだろうがマイナスの方向に働いている気がする。いつも通りメロディはいいのだがこれだという曲がないのは残念。


WITHIN TEMPTATION - The Heart of Everything ★★ (2015-12-05 22:59:00)

作を重ねるたびに大衆路線へと進んでいくことはこのバンドも当てはまり、おそらくロック色を強めたことが最大の要因だろう。しかしシンフォニックの比重は過去最大で荘厳かつ美麗なものへとなり、こちらがひれ伏してしまいそうなほど進化している。癒しに関しては前作の方が上だが総合点でいうとこちらが上。これだけクオリティが高いと映画、ゲーム音楽に起用してほしいな。


TO/DIE/FOR - All Eternity ★★ (2015-12-04 23:30:20)

ゴシックと聞くとシンフォニックで中二病的なものと個人的に捉えているが、ここで聴けるのはロックをベースにしたものである。Voの声がキモイということを除けば路線変更したSentenced同様ダークで鬱な世界観が味わえる。豪華ゲストが何人か参加しているがあまり反映されていないのは残念。


SYSTEM OF A DOWN - System of a Down ★★ (2015-12-03 23:06:17)

2ndよりもハードコア色が強いため荒々しい部分が多い。またデビュー作であるこれでも2nd同様変則的な曲展開、多彩な声を使い分けるVo、ジャンル区分不能な音楽性は顕在である。完成度は2ndの方が上だがデビュー作でこれだけ面白いアイデアを披露しているバンドはそういないだろう。しかし本当に狂っているな。


POWER QUEST - Neverworld ★★ (2015-12-02 23:42:24)

出だしから大作を持ってくるので聴き疲れると思ったがそうはならなかった。この作品の人気曲①、②、④全てに言えることだが疾走感と同時に爽快感が味わえることが人気の秘訣だろう。またメロスピバンドなのにメロハーの要素を取り入れオリジナリティをアピールしている。ダサいと言われるかもしれないがメロディは良く聴きやすい。


OPETH - Ghost Reveries ★★ (2015-12-01 23:47:11)

過去作の延長線上にあるのだろうが、このバンドは静と動の表現が本当に上手いと思う。デスメタルの激しさと幽玄なプログレの融合、そしてメンバーの音楽知識が合わさることにより聴き手は一つの絵画を見ているような感覚に陥る。また専属keyを加入させたことでプログレ色を一気に強めたと思う。二つ名である北欧の暗黒神としては大人しい部分があるので、本作は北欧の旧神という名のほうがふさわしい。


KIKO LOUREIRO - Full Blast ★★ (2015-12-01 00:17:27)

本人曰くタイトル通りなんだろうが私はそうは思わなかった。その最大の理由はメタルの要素が薄れ自国の音楽の要素を強めたことだと思う。これはこれで面白いが複雑になりすぎているし、過去にやったことの延長線上にある気がする。テクニックや曲構成はソロの中で本作が一番力を入れているがそれが裏目に出てしまったな。


HEAVENLY - Virus ★★ (2015-11-29 23:53:04)

どうやらメンバーチェンジがあったらしいがそんなことを感じさせることなく高いクオリティーを維持している。多くのクサメタルバンドは作を重ねるたびに衰退しているが彼らはそんなことはない。メロディや疾走感、ハイトーンボイズ等私達がクサメタルに求めるものが彼らの作品にはたくさん入っている。かなり関心を持ったので他のアルバムも聴いてみたいな。


FAIRYLAND - Of Wars in Osyrhia ★★ (2015-11-28 23:40:11)

よくラプソディーと比較されるがまさにその通りで、こちらもオーケストラが前面に出たシンフォニックメタルで、RPGを連想させる曲構成となっている。またVoが元Dark Moorの人なので2nd,3rd頃を思わせるクサメタルが展開されている。ただ私の手元にあるのは輸入盤なのでボートラが入っていないのが残念だ。


CATHEDRAL - The Carnival Bizarre ★★ (2015-11-27 23:50:42)

雰囲気がサバスっぽいなと思ったらなんとトニー・アイオミが参加していた。違和感なく溶け込んでいたからライナーノーツを読むまで気付かなかった。それだけサバスに認められていると同時に彼らの目指すべきサウンドがこれに提示されている。さてこの作品、ドゥームにしてはアップテンポなものが多く、また正統派、ストゥーナーの要素が強いことから暗く沈んだものではなく自然とノレる仕上がりになっている。本人達が音楽愛好家だからこそメジャー、時代に関係なくマニア向けの音作りを行えるのだと思う。


AXENSTAR - Far From Heaven ★★ (2015-11-26 21:56:40)

ソナタと同路線のメロスピで、あちらよりインパクトが弱いものの北欧系特有の美旋律はこちらにもあり、将来ソナタの後継者になることを約束されたかのような作品だ。コンパクトで聴きやすく疾走曲が多めな点が良い。今のままでは悪くないで終わりそうなので全体的に工夫を凝らすともっと良くなるかも。


ATREYU - Congregation of the Damned ★★ (2015-11-25 23:47:40)

過去作もそうだがメタルコアにしては音が軽すぎる。しかしリードギターのフレーズは普遍的だけれども印象に残るし、今作はVoのメロディにも気を配ったのかこちらも頭に残りやすい。こういった部分は正統派の影響が強く、メタルコアと上手くシンクロさせている。高い技術をもつバンドとは言い難いが、無駄な要素を省きキャッチーなメロディで勝負するスタイルも大事なことだろう。


ALMAH - Almah ★★ (2015-11-22 23:57:08)

Angraとは違うアプローチをしているのかなと思ったら意外とそうではなかったという意味では無難。しかし、これと近年のAngra双方に言えることなのだが楽曲に面白みがないという欠点がある。せっかく豪華なゲストを招いているのに個性が反映されていないことも問題だ。一人で書いた結果がこれだとファンは満足しないと思うのでソングライティング能力を向上してほしい。


PINK CREAM 69 - Games People Play ★★ (2015-11-10 23:40:29)

今までは明るめで時代に適したものだったが、今作でいきなりモダンでシリアスな展開となった。とはいえHR/HMとしては成立しているし、アンディ特有のメロディもあり、彼の最初のソロアルバムに近い雰囲気があるから問題ないと思う。しかしこれはアンディと他のメンバーに確執があるという伏線を張っていて、結果的にアンディが脱退するという悲劇を招いてしまった。一方、ギリギリのところで音楽性の大胆な変化を食い止めているのでファンが望む形ではなかったにしろ低評価をつける必要はないと思う。


LACUNA COIL - Unleashed Memories ★★ (2015-11-09 00:02:21)

ゴシックにしては華やかで、時折聴ける中近東風のメロディもあるから神秘的な要素もプラスされる。ただシンフォニックな要素、キャッチーなメロディというこの作品の欠点を列挙していくとリリースした当時日本では受け入れられにくいかも。それでもツインボーカルの味は引き出せているし、楽曲もさらに練り込めば良くなるものばかりだから彼らの歴史を知るのには丁度いい。


KAMELOT - The Fourth Legacy ★★ (2015-11-06 23:47:49)

これ以降の作品から聴くと少し力量不足に感じてしまうが、②を聴いただけで買いに走った人は少なからずいるだろう。それくらい美しく幻想的で印象的なナンバーだ。また、随所にある中近東風のメロディはこのバンドの神秘的でミステリアスな部分を象徴している。ここでKamelotワールドが確立され更に官能的になっていくことからこれは重要な位置にあると思う。前作はまだ未聴だが化けたというコメントが多いのも実感出来る。


LEAVES' EYES - Njord ★★ (2015-11-05 23:49:16)

フォーク/ヴァイキング色が強かった前作に対し、今作はシンフォニック路線を強めじっくり制作した成果が現れたと思う。壮大なスケールはそのままで聴いているとストーリーがはっきり見えてくる。有名シンフォニックメタルバンドにひけをとらない仕上がり。


WITHIN TEMPTATION - The Silent Force ★★ (2015-11-04 23:38:51)

先に方向性が同じDelainを聴いているが、同タイプの曲を比べると本家の方が一枚上手。荘厳で落ち着いた感じのシンフォニックメタルでこれをゴシックと捉えるのはあまりにも美しすぎる。本領を発揮しているのは半ば辺りの癒し系の曲で、映画のサントラに使われそうなくらい万人が好みそうなサウンドだ。このバンドにRPGのような世界観や疾走を求めると期待外れになるがクオリティは高いので一聴の価値あり。


VADER - De profundis ★★ (2015-11-03 23:00:56)

Slayerを彷彿させるコード進行から分かるようにスラッシュメタルの要素が強いが、それをビルドアップさせたのがこのバンドだと思う。中でも一糸も乱れないブラストビートやツーバス連打に圧倒された。誰が聴いてもデスメタルと分かるくらい正真正銘のものである。


UNEARTH - The Oncoming Storm ★★ (2015-11-02 22:55:37)

メタルコアといえどもツインギターのフレーズからわかるようにメロデスの流れを汲んでいる。同系統のバンドと比べるとこの当時メロディアスでギターの主張が激しいバンドはおそらく彼らが群を抜いてたと思う。ストレートな手法だからこそかっこいい。


SYMPHONY X - Symphony X ★★ (2015-11-01 23:48:18)

ネオクラの比率よりプログレの比率の方が高く、楽器隊全てにDream Theaterの影響を強く感じる。シンガーは下手ではないけれど現在のシンガーと比べると力不足だ。この手にしては疾走パートが多くコーラスも入っていてなかなか面白いアレンジをしていることから、ただのバカテク集団ではないことを思い知らされる。


SCAR SYMMETRY - Symmetric in Design ★★ (2015-10-30 23:19:23)

Soilwork系のメロデスは聴きなれたせいか新鮮味は感じられなかったものの、これにはこれの良さがある。メンバーの経歴がそのまま反映されているためクオリティは非常に高い。幅広い音楽性とボーカルスタイルを持っていることから表現力の豊かなバンドだと思った。激しくかつ聴きやすい北欧産メロデスの見本となりそうだ。


OBITUARY - Slowly We Rot ★★ (2015-10-28 23:49:25)

ミドル、スローが多いデスメタルバンドだが、この頃は邪悪なスラッシュに近く疾走部分もある。またテンポチェンジを生かしミドル、スローな部分を効果的に織り交ぜている。あの苦しそうに呻くデスボイスはすでに顕在。整然としていないという意見があるが私はそれほど気にならず、デスメタルとは何かを模索している真っ只中であったことを教えてくれる。


LEAVES' EYES - Vinland Saga ★★ (2015-10-27 23:37:39)

よくあるシンフォ、ゴシック系とはやや違うタイプでフォークやバイキングの要素が強く、味付け程度にデスVoが入っているところが持ち味なのだろう。リヴの声はTheatre Of Tragedyの頃のように儚く切ないものではなく、勇ましく美しい戦場の女神のような声になっていることから歌唱力を上げたと思われる。この手にしては比較的コンパクトながらも、コンセプト通りストーリーがきちんと伝わってくる。


EVANESCENCE - Evanescence ★★ (2015-10-26 23:48:28)

前作で失っていたシンフォニックの要素が1stと同様いやそれ以上に強化されて戻ってきた。これによりダークで美麗なゴシックメタルがさらに輝きを増す。またピアノがかなり使われている点が気に入った。過去ほど話題には上らなかったが、世界観を維持しつつ最高のクオリティを備えた本作は長年蓄積された結果そのものである。曲数が多いけれどもそこまで苦にならず聴けますよ。


HEAVENS GATE - Planet E. ★★ (2015-10-22 23:52:00)

作品自体は悪くなく、音色や方向性はかつてのものと違うけれど成長の証はあるし、円熟期に突入したと思える。しかし4年待った割には期待外れというのが一般的な評でその通りだと思う。受け入れられなかった要因として、コンスタントにリリースしなかった、やる気のないものに聴こえてしまうの二つがあてはまる。この後一枚出すが、悲しいことに自然消滅のフラグはこの頃から立っていたのかもしれない。


BLESSTHEFALL - Hollow Bodies ★★ (2015-10-21 23:43:44)

前作がメロディアスだったのに対し今作は前作に欠けていた激しさが戻ってきた。まくしたてるリフはもちろんシャウトはより強烈になった。また今作ではブレイクダウンとエレクトロの融合や、⑥のようにストリングスとピアノを取り入れたこと等新たな試みを行い、リスナーの幅を広げようとしている。ちなみに⑩は某メタルコアバンドのオマージュにしか聴こえないので、訴えられたら確実に負けである。メロディやギターソロを重視する人は前作のほうが良いかもしれない。


SONIC SYNDICATE - Only Inhuman ★★ (2015-10-20 23:53:46)

10代、20代がヘビーローテしそうな音楽性で確かにノリがよくサクッと聴ける。keyを大胆に取り入れることでドライブ感が増し、メロデス、メタルコアの要素もそれに上手くとけこんでいる。インパクトが強い反面似たり寄ったりした曲が多く個性がないため飽きるのは早そう。


OPETH - Damnation ★★ (2015-10-18 23:48:40)

初めてOpethを聴いたのがこれなので面喰ったのは当然。激しくないしメタルでもない。しかしよく聴くとなかなか味のある作品であることに気付いた。特にギターとメロトロンがいい仕事をしており、静かで哀しく幽玄な雰囲気作りに大いに貢献している。またミカエルのクリーンも上手くそれにマッチしている。非常に質の高いプログレ作品なので、大人しいからと言って避けるのはもったいない気がする。このバンドはメロディアスな側面に焦点を当てたいと言った時正しい音楽性の変化の在り方を会得しているのでこのような方向性にシフトするのは許容の範囲だ。


AT VANCE - Dragonchaser ★★ (2015-10-04 23:48:19)

出だしは好調、レベルも上がっている時点で進化したことは確実で、評判より良い評価をしたくなる。しかし半ばからテンションが落ちてしまう。前作、次作が名作扱いでこれが駄作になるのは前述の理由が大きな要因だと思う。恒例のクラシックとABBAのカバーをやる暇があるならオリジナルの方に集中すべきでは。


SOILWORK - A Predator's Portrait ★★ (2015-09-28 22:59:18)

これは現在の姿の第一段階であるため彼らの作品の中では重要な位置付けとなる。以前は典型的なメロデスの部類に入っていたがアマチュア臭が強く、まとまりがなかった。しかし今回は違う。まず歌が入ることでメロディアスかつキャッチーになった。次に演奏だが従来の激しさを残しつつモダンな音作りを意識した結果新境地を開拓することに成功した。脱メロデス化=丸くなったというのは見当違いで進化と捉えるほうが正しいだろう。分かり易いかつタイトであることがいかに重要かを思い知らされた。


PINK CREAM 69 - One Size Fits All ★★ (2015-09-27 23:42:44)

前作よりややシリアスになった気がするが哀愁を好む日本人にとっては好みの作風だろう。ポップだけど湿り気のあるメロディが特徴で、なんといってもバラードの出来は最高クラス。この手の曲はHelloweenでも書いているがあちらより優れていると思う。実際はかなわぬ夢だったが世界制覇を狙えるだけのクオリティはある。


EDGUY - Hellfire Club ★★ (2015-09-25 23:00:57)

一曲目を聴いただけで名盤の予感がしたが本当にその通りになった。欧州系から正統派に近づいたこともあってか全体的に音が重く力強い。失うものは何もなく全てにおいてスケールアップした。しかも二曲目に大作を持ってくるあたりで本人達がいかに自信があったかが分かる。元々優れたコンポーザーだがまだまだいい曲を書けそうだ。


AT VANCE - No Escape ★★ (2015-09-24 23:43:09)

1stだが中心人物がズブの素人ではないため当然質は高く、ネオクラ好きにはたまらない一枚であろう。曲はアップテンポで分かり易いものが多く、カバー曲も誰もが知っているものを選んでいる。イングウェイと同じベクトルを持っているので、これが80年代だったらギターヒーローの仲間入りになっていたかもしれない。


SYSTEM OF A DOWN - Toxicity ★★ (2015-09-24 00:38:17)

歌唱法はおかしいし一枚のアルバムの中にいろんなジャンルが入っているから何がしたいかよくわからん、もしくは奇妙だがこれは一種のセンスだと思った人はたくさんいるだろう。確かにこれはどのジャンルに入るかは私も分からないし、最初聴いた時は違和感があった。しかし中毒性は高く先が気になってしまう。またメンバー全員技術が高く個性も強い。しかも哀愁のメロや他国の音楽要素もあるではないか。このバンドのように変態かつコミカルなバンドってあまりいないだろうな。


SYMPHONY X - The Damnation Game ★★ (2015-09-23 01:11:23)

マイケルロメオはレガート、ピッキングに優れたギタリストだ。面白いところはネオクラを基調としつつプログレの要素を含んでいるところである。Voのラッセルアレンは本作で加入するがその実力は折り紙付き。凝った楽曲を作りたいという気持ちは分かるが、やはり一曲目のようなものをやるべきだと思う。


SUICIDE SILENCE - No Time to Bleed ★★ (2015-09-21 23:08:27)

休む間もない熾烈なサウンドと高音絶叫が混ざったことでとてつもない狂気を感じた。同時に刺激が強く一通り聴くのもやっとだった。Morbid Angelのようなテクニカルな演奏とCannibal Corpseのような残虐さにコアの要素を取り込んでいるため、通常のデスメタルより遥かに過激になっている。一本調子にならず、若手ながらもしっかり先人達の音楽を勉強し自らの音に反映させている。勢い重視のところがあり普通に聴くよりかはライブで暴れるほうがこの手の楽しみ方として正しいだろう。


SINNER - The End of Sanctuary ★★ (2015-09-20 23:46:09)

典型的なジャーマンメタルを貫き全編に渡ってエネルギーに満ち溢れている。それは本気で取り組んだ証と言ってもよい。またバランスが良く、彼らのジャーマンメタルに対する回答がここに詰まっている。ゲストの貢献も大きく特にウリのドラミングが良いと思う。もしかしたら彼らの中で歴代一位の作品かもしれない。


SENTENCED - Amok ★★ (2015-09-19 23:50:35)

一応カテゴリー上メロデスの部類に入るのだろうが、リフやリズムはもろハードロックなので荒々しさ、激しさはあまり感じられなかった。しかし民謡の影響が強く悲哀に満ちたギターフレーズは北欧ならではの特徴で、その分野に関しては他のメタルバンドより優れているし、泣きはもはや一級品だ。これが脱メロデスのフラグを立てることになってしまい少々残念だが、ノーザンメランコリックメタルの覇者になる第一段階となった記念すべき作品。


PRIMAL FEAR - Jaws of Death ★★ (2015-09-18 23:45:51)

前作と同路線なので安心して聴けるのは良いが、何か進化があったかと聞かれると特になしと答える。最近Sinnerの方も聴き始めたが、それと差別化が図られていないためこのバンドのオリジナリティが感じられない。前作もそうだが力押しこそ正統派だという意気込みで臨んでいるのはいいことだと思う。しかしフックのある曲を作らなければ意味がない。これだけキャリアを積んだ逸材を抱えているのだからリスナーとしてはいいものを聴きたいというのが本音。


PINK CREAM 69 - Pink Cream 69 ★★ (2015-09-17 23:43:59)

Helloweenのようなサウンドを期待したら肩透かしになってしまうが完成度は非常に高い。全体的にはポップ寄りのロックなんだけどどこか哀愁がある。しかもドイツのバンドなのにドイツらしくない。これは真似しようと思ってもなかなか真似できず、PC69独自のロックとしか表現できない。1stなのにアンディ節が完成されている点も注目。


PERIPHERY - Periphery II: This Time It's Personal ★★ (2015-09-16 23:51:14)

Djent初体験のアルバム。元々Dream Theaterのようなプログレが好きなのでこの手はすんなり馴染めた。Dream Theaterをエクストリーム路線にもっていったというのがこのバンドの第一印象で、当然のことだが彼らからの影響が強い。基本的にはゴリゴリとした音色で複雑なリズムと曲展開を披露しているが、テクニック一色にならずクリーンVoの導入によりメロディにも気を配っていることがわかる。ボートラにSlipknotのカバーが入っているがオリジナルに忠実すぎるのでもう少しアレンジしても良かったかも。


PASTORE - THE END OF OUR FLAMES ★★ (2015-09-16 00:01:36)

Hibriaと同じベクトルをもつブラジル出身の正統派HMバンドで、こちらもメタルシンガーの手本ともいえるハイトーンVoと強力な楽器隊がいる。音楽性が剛直であることも共通点であろう。ただ正統派なのにあまりブレイクしないのはキラーチューンの不在が大きいと思う。せっかく伝統的な音楽をやっているのだからもう少しソングライティング能力を磨いてほしい。今のままでは持ち味を生かしきれず宝の持ち腐れになってしまう。


OBITUARY - Back From the Dead ★★ (2015-09-14 23:52:54)

良く言えば無駄を削ぎ落としデスメタルが苦手な人でも聴きやすいものにしたのだろうが、悪く言えばデスメタル特有の重くて速く残虐な音楽性は感じられない。またミックスのせいか音が軽く聴こえるのも問題であろう。頼みの綱となるのはVoの苦しそうな呻き声だけである。死の淵から戻って来た割には残念な出来栄え。


FEAR FACTORY - Digimortal ★★ (2015-09-12 23:56:54)

機械的かつ正確にリフとリズムを刻んでいるためあまり人間らしいプレイが聴けないがそこが良い。しかし楽曲は聴くにつれて似たり寄ったりのものが多く、後半に差し掛かる頃にはすでに飽きている。かつて業界に名を轟かせた工場が時が経つにつれ経営不振となり、もはや閉鎖という選択肢しか残っていないという例えが浮かび上がるかのような作品だ。楽曲の劣化がバンド崩壊(後に復活)に繋がることを暗示しているかのようだ。


THE DEVIL WEARS PRADA - With Roots Above and Branches Below ★★ (2015-09-11 23:48:56)

出身はおそらくスクリーモ界だろうが強靭なサウンドはメタルコアに通じるものがあるし、このバンドの最大の武器であるシンセを導入している点が非常に良い。しかも電子音よりピアノ、オーケストラといった音色の方が多くこちらとしては嬉しいかぎりだ。攻めの姿勢以外に物悲しさ、美しさを兼ね備えているためありがちなものからの脱出は成功し、オリジナリティを確立している。メタラーやシンフォニックな音楽が好きな人にも十分アピール出来そうな作品。


ATREYU - The Curse ★★ (2015-09-10 23:54:14)

メタルコアだけど80年代のHR/HMが彼らのバックグラウンドでありその影響が強い。そのせいで普通のメタルコアより物足りなさを感じてしまったが曲自体はそれほど悪くないと思う。印象に残ったのがオリジナルではなくBon Joviの禁じられた愛のカバーなので一曲でも突出したものがあればもっと良かった。


HOLY KNIGHTS - Gate Through The Past ★★ (2015-09-06 23:45:33)

2ndでガンダムのカバーをやっているのを聴きかっこいいと思ってこれを購入した。しかし2ndと比べると幾分かチープに感じる。また曲はいいがフックのある曲が少ないという問題もある。Rhapsodyのフォロワーにしてはあまりにも貧弱なのでもう少し頑張って欲しかった。そんなわけでB級シンフォニックメタルを愛する人にはいいかもしれない。


GRAND MAGUS - Iron Will ★★ (2015-09-05 23:49:50)

JBはSpiritual Beggarsの方で知りその漢臭い歌唱力に酔いしれたので上手いシンガーであることは承知の上で本作を買った。しかしこれを聴いて一番最初に驚いたのはJBはギターも上手いということだった。個人的にはArch Enemyのマイケルアモットとためを張る実力の持ち主だと思う。ストーナー系と予想はしていたがどちらかといえば王道を征く正統派で、荒々しくも北欧らしい陰鬱な音楽性が持ち味。こうして聴くと彼らのルーツはBlack SabbathやDioでそれらを咀嚼したサウンドが全編に渡って楽しめる。


EDGUY - Vain Glory Opera ★★ (2015-09-04 23:43:22)

2ndなのでまだまだアマチュア臭い部分も残してはいるが、当時20代前半ということを踏まえると完成度は非常に高くフックのある曲もあるので余裕で合格点をあげられる。先人達の築き上げたものを受け継ぎ自らの音楽性に反映させる姿勢が良かった。またStratovariusのティモ・トルキとBlind Guardianのハンズィ・キアシュがゲストで参加しているためどうしても彼らの意向が反映されるが、彼らの援護があったからこそここまで到達したとも捉えられる。将来大物になる器を秘めた作品だ。


AT VANCE - Heart of Steel ★★ (2015-09-03 23:53:35)

1stも良かったが2ndで更なる上のレベルに達したと思う。それは②を聴いた時点で実感できた。ベタなネオクラではあるが反面当たり障りもなく聴けるのが良い。その他の曲もなかなか良く少なくともハズレはない。恒例となるクラシックや他バンドのカバーも分かり易い形で表現していると思う。


AMORPHIS - The Beginning of Times ★★ (2015-09-03 00:00:47)

マンネリ化と言ってしまえばお終いだが、ここまで来ると孤高の域に達したとしか言えない。良質な北欧民謡メロディは過去最高の出来栄えなので名盤と謳う人がいてもおかしくない。大半がミドルテンポで構成された本作だが、へヴィな部分も残しているあたりはメタルバンドらしい。音楽性の幅も広がり、北欧メタルに必要なものをすべて詰め込んだように思える。このバンドをメロデスの範疇で語るには異質すぎてあまりにも難しく、万人受けではない。しかし長年の経験の結果がこれならそれはそれで受け止める。堅実に自らの音を追求した者のみが辿りつける境地に達したことを証明した一枚だ。


LACUNA COIL - Karmacode ★★ (2015-08-02 23:45:45)

ゴシックメタルの面影が薄れモダンへヴィネスの面が強調されたのは、前作の成功を意識した結果かもしれない。しかしこのグルーヴ感はなかなか良く、ありがちなゴシックからの脱却に成功した。それは時折聴ける中近東あたりを思わせる神秘的なメロディも同じことが言える。またDepeche Modeのカバーが収録されているが、原曲を知らない人にはオリジナルに聴こえるくらいハマっている。メジャー感があるのにどこかダークな雰囲気はこのバンドでしか表現できないだろう。


AMORPHIS - Tales From the Thousand Lakes ★★ (2015-07-28 00:00:20)

In Flamesもそうだったがこちらも惜しみなく北欧民謡フレーズを惜しみなく使っている。メロデスという言葉や定義がなかった当時、流行に乗らず自らの音楽性を追求した姿勢はチャレンジャーといか言いようがない。デスメタルにしては遅くどちらかと言えばドゥームで、ボーカルはデスとクリーンの両方があり、しかもメロディアスで哀愁たっぷりだ。さらに題材がカレワラなのでますますとっつきにくい。そんな作風だから当然論争も起きたと思う。しかし異色中の異色だからこそ他の追随を許さない孤高の存在となれたのだろう。また2ndで冷たく重い雰囲気を表現できている点も評価すべきだ。


Whispered - Shogunate Macabre ★★ (2015-07-18 00:02:21)

またフィンランドからとんでもないバンドが現れた。COBタイプのメロデスに三味線や琴等の和楽器をガンガン入れているが決して邪魔になっていない。それどころか両者のバランスがキッチリとれている。しかも二作目にして作風が完成されており、演奏スキルも高い。個人的には本編もいいがカバー曲のアレンジも聴きどころだと思う。歌舞伎メイク、和楽器を取り入れた楽曲、カバー曲のチョイス、コンセプト、どれをとってもメンバー全員が日本人以上に日本好きであることを思い知らされる一枚。


鈴木このみ - 17 - CHOIR JAIL ★★ (2015-07-04 23:50:32)

アニソンでここまでガチのシンフォニックメタルはあまりないだろう。しかも当時14歳でこの歌唱力はもはやプロ級である。贅沢言えばギターソロが入っていれば最高だった。またこの手の曲をやってくれないかな。


PRIMAL FEAR - Primal Fear ★★ (2015-06-15 23:45:25)

教科書通りのメタルなので安心して聴けるし、正統派にこだわっているのがダイレクトに伝わる。メタルには力量というものが必要だと教えられるようだ。楽曲の質は総じて高く、1stからここまで徹底してやっているので聴いてて気持ちが良い。贅沢いうと一曲でも抜きん出た曲があればメリハリがついてもっといいものになったかもしれないが、それは次の課題ということで。


LACUNA COIL - Comalies ★★ (2015-06-10 23:49:25)

帯にEVANESCENCE好きにお勧めと書いてあったので買ってみたが中々良い出来であった。EVANESCENCEを比較対象にするのはどうかと思うが、それと比べるとへヴィロックを基調としつつ妖艶でダークであるという共通点があり、それよりも先にサウンドを確立している。どうしても女性voに目が行きがちだが、それ以外の部分も注目してほしい。日本盤はオリジナルより数年遅れて発売、つまりブレイク後の発売なのでいかにこの手の音楽に馴染みがなかったかよくわかる。しかし、これでブレイクし現在トップクラスのゴシックバンドとなった。そのような意味でこれは彼らの作品の中で重要な位置を占めていると思う。


TESTAMENT - Dark Roots of Earth ★★ (2015-05-05 23:53:41)

これまでの歴史を総括させ最新版にアップデートした前作の流れを引き継ぎ、更にプラスアルファを図った結果ベテランとは思えない切れ味のある作品となった。特にブラストビートが炸裂している点は前作と異なりデスメタル出身のドラマーらしいアレンジとなっている。またアグレッションに関しては前々作に近い雰囲気があり、それに1stから健在である流麗なギターソロが加わることで更なる高みに到達した。速さばかり追求するのではなく聴かせる曲も存在しているから本当に文句のつけようがない。


DARK TRANQUILLITY - Fiction ★★ (2015-04-21 00:10:25)

前作は過去と現在の音楽性をシンクロさせた最高傑作だったが本作はそれ以上の出来栄えだ。まずバラエティに富んだ楽曲で構成されている。マンネリズムに陥らず今までの歴史を総括しているようだ。次に表現力だがリフのザクザクした感触は切れ味を増した。また所々で聴けるキーボードはメタル系のアーティストにはあまり見られないデジタルエレクトロの音だが、鋭利な刃物のように冷たくどこかサイバーな部分もあり今回一番貢献度が大きかったと思う。これらはアグレッションを損なうことなく耽美なメロデスへと一歩前進した成果であろう。さらにクリーンボイスも復活した。抜きん出た曲がなくインパクトに乏しいととらえがちだが、逆に言えばどれも甲乙つけ難く素晴らしいということだ。


STRATOVARIUS - Visions ★★ (2015-04-17 23:48:49)

これまで積み上げてきたものが真価を発揮した。それはBlack Diamondを聴いた時点で一聴瞭然である。他にもスリリングな展開が味わえるインスト曲や、聴き手を飽きさせない壮大な構成のタイトル曲等とにかく駄作がなくライブ映えするものばかりだ。曲のヴァリエーションが増えたことや演奏技術の向上等も彼らの成長の証である。ストラト節はこれで完成され、彼らの最高傑作と同時にメロスピの最重要名盤でもある。


PRETTY MAIDS - Wake Up to the Real World ★★ (2015-04-15 23:48:28)

これを発表するまで様々な困難があったがこちらの期待に応えてくれるものではなかった。確かに彼らに求めるメタル像からは大きく外れているわけではないし、楽曲も冷静になって聴きこむと一定の水準は満たしていると思う。しかし守りの姿勢に入ってしまったのかエネルギーに満ち溢れたものがない。今まで培ったものを昇華せずそれなりに仕上げている。これでは現状に甘んじているとしか思えないのだ。一曲も印象に残らないのもそれを裏付ける証拠である。リリースしてくれただけでもありがたいがこんな作風では見切りをつける人もいるに違いない。


KAMELOT - Ghost Opera ★★ (2015-04-13 23:47:45)

カーンの声を生かした雰囲気のあるメタルはここにきてさらに深化し、劇場で鑑賞しても違和感がない。コンセプト作品かどうかは知らないがダークで幽玄な世界観の表現力は並々ならぬものがある。ただ本来目指していたものの完成型にしては欠点が目立ち、キャッチーな曲の少なさ、全体に漂う重苦しさが挙げられる。せめてもの救いは楽曲がコンパクトで収録時間が短いことかな。


ICED EARTH - Something Wicked This Way Comes ★★ (2015-04-12 23:24:46)

サウンドの方はお約束といっていいほどIced Earth節が全開で演出面でも確固たる世界観を築き上げている。そんな彼らの能力が最大限に発揮された三部作の構成は称賛に価し、大作志向を掲げるバンドと比べてひけをとらない。またシンガーのマシューは歴代の中でも一、二位を争うほどの実力の持ち主である。疾走曲がないため盛り上がりには欠けるがスラッシーなリフは健在であり、世界観の維持を優先した結果でもある。いずれにせよいい作品であることには変わりない。


POISONBLACK - Of Rust and Bones ★★ (2015-04-10 23:49:26)

前作の延長線上にありブルースの要素が濃くなったなと思う。それと同時に正統派のHRへの回帰を目指しているせいかシンプルながらも濃厚な楽曲が増えた気がする。ゴシックの要素が作を重ねるたびに薄くなっていくこととキーボードの割合が減ったことが個人的には寂しいがこの手も渋みがあって良い。どうせならスラッシーなボートラの曲のような路線が良いという言う人もいるだろう。確かに異彩を放つこの曲は完成度が高い。でも彼らの音楽性には合わない気がする。


STILL REMAINS - Of Love and Lunacy ★★ (2015-04-09 23:46:38)

北欧メロデスタイプのメタルコアはよくあるが、彼らの場合キーボードを取り入れたことで他の同系統のバンドより一歩進んでいたと思う。これがパーフェクトとは言い難いが、新人ながらも質の高い曲を書いている。今となってはこのスタイルはラウド系のバンドまで普及し目新しいものではなくなったが、元祖キーボードを取り入れたメタルコアバンドとして認知されるべきである。


SOILWORK - Steelbath Suicide ★★ (2015-04-08 23:44:56)

At The Gates寄りのメロデスだが時に変拍子を混ぜ、ギターソロでは泣きを強調している点が当時の彼らのスタイルだとこれを聴いて実感した。ヴォーカルは全編デスのため中期頃から現在に至るサビで合唱出来るようなパートはもちろん存在しない。フックのあるメロディは皆無で技術的にも稚拙な部分が残るが、攻撃性はキャッチーで聴き易くなった中期以降と比べるとこちらの方が上だ。未だに初期の方が良いというファンがいるのもこれを聴いて納得した。ただDeep Purpleのカバーの出来は微妙。


PRETTY MAIDS - Carpe Diem ★★ (2015-04-07 23:47:26)

哀愁を帯びたメロディとポップセンスは彼ららしい部分であり、この作品でもそれらを惜しみなく最大限に発揮していると思う。実際疾走曲よりもこの手のタイプが耳に残ったのは事実であり、名曲とは言い難い部分もあるがそれなりに良い出来だ。ただ全体を通して聴くとポップでメロディアスなロック系の曲が多すぎるので彼らにメタルを求める人には不向きである。疾走曲がもう少しあればまとまりのあるものになり評価も上がったと思う。


POISONBLACK - A Dead Heavy Day ★★ (2015-04-06 23:50:38)

この作品を聴いてSentencedと比較するのはやめようと思った。同じノーザンメランコリーメタルとはいえこちらはヘヴィに特化したものであり、アップテンポの曲はそのような面が強調された。新しい試みとしてブルースの要素が入り、こちらは古き良き音楽を思い起こさせる。両者の混在こそが今の姿であり過去の音楽と袂を分かちあうことになった。前作でなんとなく方向性が固まっていたがこれがPoisonblackだと言えるのはこちらの方だろう。


PRETTY MAIDS - Scream ★★ (2015-03-29 23:43:38)

サウンドが前作と比べて図太くなったのは時代のせいかもしれないがライブ映えを意識しているとも捉えることが出来る。ハードな曲だけではなくポップな曲も収録されておりこちらも彼らのセンスを最大限に引き出している。失敗作と言われているが質が決して低いわけではなく内容もコンパクトだ。正統派が冬の時代であったこの頃に正攻法で向き合う姿勢は評価すべきだろう。


VISION DIVINE - Vision Divine ★★ (2015-03-28 23:48:44)

ファビオとオラフのバンドということで何か新しいことをやるのかと期待したが、Labyrinthと同系統のものであったため安心した一方期待外れでもあった。及第点には達しているがジャケのダサさが物語っているように印象に残る曲が少なく、どれもいまひとつという評価になってしまう。何かが足りない惜しい作品だ。唯一印象に残ったのはEuropeのカバーで、原曲に忠実かつ歌い方までそっくりだったから本家と比較してみるのも面白いだろう。