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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-08-18 11:21:50)

2010年発表の4曲入りEP。
長い活動停止期間を経て、約13年振りとなる作品。

このバンドが所属しているレーベル、Xtreemはデスを中心に扱うレーベルのせいか、RAWさよりもダイレクトな攻撃性や質の高さに富んだスパニッシュブラックが多いという印象なんですが、この作品は正にその印象どおりの音ですね。エクストリームメタルならではのヘヴィさと、ブラックの凶悪さをしっかり表現する良質な音作りで、ブラストを多用する暴虐な作風の魅力が直接的に伝わってくるような音。

リフやリードフレーズ等に叙情味があり、暴虐でありながらもドラマ性にも富んだ音を出している作風ですが…この叙情性が逆に大地を焦土に変えていくような迫力を感じさせる音で、個人的にはLegion在籍時、特に「La Grand~」期のMARDUKに近い印象があるんですよね。MARDUKの「La Grand~」アルバムは、攻撃的な曲と頽廃的な曲を敢えて分けているような感じでしたが、この作品は一曲の中で猛悪な暴虐性と爛れた頽廃性を同居させている感じ。

何気にヴォーカルもブラックメタルとしての凄みを感じさせるドスの効いた、ややハイピッチのがなりで非常にかっこいですし、4曲入りというのが惜しく感じるくらい素晴らしい作品だと思います。コンスタントに活動していればスパニッシュブラックといえば彼ら…くらいの評価は得られていたのでは。まだ再結成してからフルアルバムは出してないようですし、気になる方はまずはこのEPを手にとってみてはどうでしょう。



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