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THE WILD HUNT (2013年)
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THE WILD HUNT
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解説 - THE WILD HUNT
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-08-22 23:25:46)

2013年発表の5th。
今度はCentury Mediaに移籍してのリリース。

邪悪な属性を帯びつつも、狂熱に浮かされたような高揚を感じさせるリードギターや、ブラックメタルならではの邪悪の美学を音で叩き込むようなトレモロ、ブラストだけでなく、オールドスクールな畳み掛けも多用し、重厚かつテンション高い曲作り…など、WATAINならではの魅力は前作同様で、彼等の音に魅せられている方なら当然の如く陶酔に導かれるような作品…ではありますが、前作とは大分変わったポイントもありますね。

まず音作りも曲作りも、より「工夫が凝らされた」音になっていると思います。プロダクションは前作以上にクリアで、メジャーな音という感じですが…そこに効果音やヴォーカルエフェクトなどがバンドサウンドの迫力を後押しするように使用された展開が多く、より雰囲気を感じる音像になったように思います。ただ、「RAWな音」からはまた一歩遠ざかった感じなので、この点は好みが分かれるかも。

曲の方も前作までと比べると、ミディアムテンポでムードを重視した展開や、リードやトレモロリフによるメロディを聴かせる展開が増え、より複雑化した印象。キーボードを使用した頽廃的な雰囲気の演出、アトモスフェリックブラックのような包み込むようなノイジーなリフを使ったパートまであるのはちょっと意外。私はこのバンドの持つ、邪悪美が込められたメロディセンスが好きなので、これくらいのバランスであればそれを強調するこれらの展開はむしろ歓迎。

ただ、どうしても許せないのが、聴いてていたたまれなくなるようなErik氏のクリーン。いつもの鬼気迫るがなり声が嘘のように凡庸で、彼に感じていたカリスマが減退してしまった気すらするんですが…。しかも大作曲「They Rode on」、タイトル曲「The Wild Hunt」と、アルバムのキイとなる楽曲で使われているのが辛すぎる。もしこの路線がこれからのWATAINを暗示しているのだとすれば、正直泣きたいです。ぶっちゃけこの2曲だけウォークマンに入れてないです。

ただ、前述したように楽曲の魅力自体は今までのWATAIN同様、凡百のバンドを寄せ付けないものがありますし、カオティックな「Outlaw」のような新機軸なかっこよさを打ち出した楽曲もありますし、良いアルバムである事は間違いないです。特に「Rabid Death’s Curse」「Casus Luciferi」よりも「Sworn to the Dark」「Lawless Darkness」の路線が好みの方はとにかく買うべき。



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