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L'Exil (Usher-to-the-ETHER)


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L'Exil

2012年発表の3rd。
クレジット見て分かったんですけど、何気にPESTE NOIREのFamine氏が一部の楽曲でゲストヴォーカルとして参加してるんですね。

そして音楽性の方も、PSETE NOIREの影響を受けたような、不条理要素も強い、耽美系の鬱志向強めなブラックメタル。フレンチ勢独特の耽美さと、枯れ落ちるような仄暗い哀愁の篭もった良質のメロディを、アコースティックギターやトレモロリフに乗せ、ミディアム中心で「聴かせる」展開をする作風で、PESTE NOIREをもう少し一般的な鬱ブラックに近付けた感じ…というと近いでしょうか。

何気に音作りは良質で、前述のトレモロリフの儚さが際立つような、オーバープロダクションにならないアナログ感のある音、そして心地良く抜けるドラムの音色など、プロダクションはかなり楽曲に合っていると思う。時折聴ける、マンドリンやバンジョー等の細かく音程変化する楽器を思わせる、ちょっと変わったギターの音色が使われているのも面白く印象深いです。この音色が、メロディの良さを更に引き立ててます。

ヴォーカルの異常さも、どこかFamine氏に共通するものがありますね。喉にめっちゃ力を入れて、エッジだけで発声したような超絶喉に負担が掛かりそうな非人間的ノイズ絶叫から、裏返り気味で何かを懇願するような、発狂気味の地声交じりの叫び声など、精神に異常を来たしているかのようなヤバさがあって、ずっと聴いているとこっちにまで狂気が伝染してしまいそう。

PESTE NOIREほどあからさまではないものの、やはり所々で不条理な展開はあって、妙なSEを盛り込んだ「Sante nom de Freux!」でそれは顕著。「カア、カア(カラスの鳴き声)……ポン!…ぽこぽこぽこぽこ……」とか、ラストの雄叫びと悲鳴とか、何をどう突っ込めば…。しかも楽曲自体は恐ろしくかっこいいですからね…これは歌詞の内容が知りたいです(笑)。

変態成分も確かに高めではありますが、フレンチ勢らしい枯れた美しさのあるメロディが、主にトレモロリフによって全編横行するという分かりやすさもある作品で、メロディックなものが好きなブラック愛好家には大推薦。というか、単純に私がこういうメロディ大好きなんですよね。陰湿で美しいメロディが好きであれば是非。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-09-07 10:04:25)