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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-12-26 21:29:41)

2013年発表の1st。

まず、オープニングのどす黒い粘液質の液体を、呪いを込めてかき回すような暗黒ドローンから、ジクジクと湧き出る膿のようなブラックメタルの音が立ちあがってくる1~2曲目の構成からして、既にグッときてしまいますね(笑)。ドローン/アンビエント寄りの音ですが、その重くドロつく音像を纏いつつ猛然と疾走する蹂躙パートもあり、沸々と煮え滾った憎しみをぶつけてくるかのようで良い按配。

また、疾走パートでも狂気や瞑想的な感触も感じさせる「Divine Light」「Hunted Prey」、サイケデリックなメロディと共に這いずり回りつつ、即興的なドラムが聴き手を威嚇する「Kiara」、どす黒さだけでなく、乾いたメロウさもある「On the World’s Grave」、耳に岩石を突っ込むかの如き害悪ノイズリフで責め苛む「Under the Slag Heap」など、アンビエント志向の強いブラックながら楽曲に幅を持たせているのもいいですね。ネガティビティ全開とは言え、意外にメロディにも意識が向いてる作りなのも好みです。

ドローン/アンビエント志向の強いバンドながら、ひたすら聴き手の想像に委ねるような情景を描くタイプではなく、音像とフレーズをバランスよく聴かせるタイプなので、ブラックを始め暗黒メタルの音に慣れてる人なら、完全なドローンやアンビエントが駄目な人でも受け入れられそう。マニアック過ぎない所が大手レーベル(Avangarde)発らしいのかも。



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