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Lynx (火薬バカ一代)


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Lynx

大雪の晩にはこいつがキクぜ!・・・と、棚から引っ張り出して聴いていたら、どっぷりとその音世界に浸ってしまい、危うくトリップしかけたスウェーデンのネオ・プログレッシブ・ロック・バンドが'92年に発表した1stアルバム。
総収録時間は70分以上、楽曲の殆どが6~7分越えという大作主義が貫かれたプログレ・テイスト全開な作りですが、例えば14分オーバー/全7章からなる⑤のような壮大な組曲にしても、先ずは北欧ならではの透明感と叙情性ありき。素朴な哀メロを暖かく歌い上げるVo(グレック・レイク風)、アルペジオを多用するGに、キース・エマーソン風味のKeyと軽快なリズム・ワークによって彩られた曲展開からも、派手さ/大仰さは必要最低限に抑制されています。
そうしたポンプ・ロック寄りの作風が、HR/HMファンには刺激乏しく響くやもしれませんが、本編中最もハードな仕上がりの①や、BACK-TICKの“JUPITER”を思い出したバラード④、高らかに鳴り響く⑦等、淡いタッチでジャケットに描かれた山猫(リンクス)のイラストが絶妙にハマるこのサウンドに身を浸していると、静寂の中、しんしんと雪が降りしきる北欧の冬の情景が眼前にパノラマとなって広がるようです。

火薬バカ一代 ★★★ (2014-02-15 01:14:38)