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TERRESTRIALS (SUNN O))) & ULVER) (2014年)
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TERRESTRIALS (SUNN O))) & ULVER)
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解説 - TERRESTRIALS (SUNN O))) & ULVER)
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-02-17 22:22:39)

2014年発表のコラボレーションアルバム。

まさかULVERとのコラボとは…そんな物、買わない訳にはいかないじゃないですか…。ULVERも最新のアルバム「Messe Ⅰ.Ⅹ – Ⅵ.Ⅹ」ではオーケストレーションと電子音楽を組み合わせて、抽象的で深遠な音像を描き出すという、SUNN O)))の実験的な音ともそう遠くない音を出していた事もあってか、凄く自然に両者の個性が息づいたコラボレーション作品になっているのではないでしょうか。

1曲目「Let There Be Light」は、瞼の裏で明滅する光の如き電子音が、静かながら聴き手を既に陶酔させるような説得力をもって立ち上がり、くすんだ風景の浮かぶブラスや即興演奏っぽいドラミングを取り入れつつ進行する楽曲で、どこか頽廃的なムードが漂ってますね。2曲目「Western Horn」は今作では最もドローン・アンビエント然とした抽象的な曲。脳内のパルスと同期しつつ、更に刺激を与えるような音使いが心地良くて安息すら感じてしまいます。

3曲目「Eternal Return」は電気的な処理が施されたオーケストレーションや、電子音などを重層的に、かつ丁寧に重ねた楽曲で、GarmことKristoffer Rygg様の官能的…を通り越してエロ過ぎな(笑)クリーンヴォーカルもフィーチャー。「重層的な音楽」とは、こういう事を言うんだな…と妙に納得してしまうような音作りと、彼のヴォーカルが相俟って精神が融けてしまいそうになります…。ああもう、ホント買って良かったわ…(笑)。

ブラック界隈にも、ノイジーなリフが転じて暗黒ドローンと化したような作風のバンドは多く表われ始めていますが、正直その中でもこれは「別格」な作品だと思う。この手の音楽って音に心地良さを感じられないと全く共感出来ないですけど、そこを当然楽々クリアしつつ、音を追ってるだけで引き込まれるような、「展開」を設けているのが素晴らしい。実はこういうドローン/アンビエント的な音としては凄く聴きやすい作品なのではないかと。

ちなみに日本盤はボーナスディスク付きで、「Eternal Return」のラフ版とAttilaの参加した「Fidelio」を収録。「Eternal Return」は比べて聴くと楽曲の作りこみ具合が透けて面白いし、ラフ版も音が少ない分ピアノやヴォーカルが存在感あって、こっちはこっちで良い音源。Attilaのボイスドローンが宗教的な恍惚をもたらす「Fidelio」もブラック聴く方なら共感する事請け合いですし、多少高くても日本盤を買っても全く損は無いと思う。



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