AC/DCの楽曲の中では、ずば抜けてクオリティーの高い曲。BEST OF AC/DCを選ぶならコレかも知れない。 異常なテンションの高さで聴き手をグイグイ引き込む、極上のR&Rだ。 この一曲でお腹一杯になれる大作であり、 WHITESNAKEにおける「STILL OF THE NIGHT」のようなもの。 「シンプルでハードなR&R」という他の多くの楽曲とは一線を画する。 AC/DCの恐ろしさ、ポテンシャルの高さを見せつけられるあっぱれな一曲。
〈dancing on the edge〉や 〈hard driver〉 など、スリリング且つ緊張感を伴う展開で見事にヘヴィロックとしての顔を覗かせているし、ギターのトーンも(同時代のGaryMooreやCinderellaのブルースアルバムとは異なり)エッジの立ったディストーシションサウンドでもってジェイク流のブルースHRを演奏しているからだ(ただリバーブなどは控えめで乾いたトーンではある)。ギターフレーズもじっくり聴き込めば、オジー時代と変わる事なく、至る所でスリリングな味わいを堪能出来るのである。
楽曲の方も、徹底的に練り込まれ、クオリティーの高さは絶品だ。 一聴して、ヘビーな音塊に押されて分かりにくいかも知れないが、聞き込めば聴き込む程リフもギターソロも歌メロも、そしてドラムのフレーズさえも、実は思いの外キャッチーである事がわかる(ポップでは勿論ない)。更に不思議な感覚ではあるが、曲によっては、超攻撃型でありながらそれまでのパワーメタル系のバンドにはない〈グルーブ感〉も時折見せてくれ(例えば3曲目のWaking the deadなど)、所々で〈ロックテイスト〉が見え隠れする所もおもしろい。 聞けば聴く程味の出る、スルメアルバムである。