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.Existenz. (Usher-to-the-ETHER)


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.Existenz.

2009年発表の5曲入りEP。
隠しトラックでやたら音量の大きいピアノ曲が入ってます。

ALCESTやAMESOEURSなど、シューゲイザー的な感性を持ったバンドが台頭し始めてきた頃にかなり話題になったバンドで、今更ながら聴きましたが…確かにこれは素晴らしい!最近余りにもポスト方向に行き過ぎてて、「これ別にブラックじゃなくて良いよね」ってバンドも少なくないですが、これはシューゲイザー/ポストブラック的な儚さも醸し出しつつ、ブラックメタルのスタイルを取る事に必然性のある作風なのが良いですね。

まずメロディなんですが、ALCESTやAMESOEURSに影響を受けたという「儚さ」「エモーショナルさ」はしっかり感じさせつつも、パートによってはブラック特有のささくれ立った、厭人的で近寄りがたい感覚もあるのが素晴らしいんですよね。2曲目なんかは、ポスト/シューゲイザーブラック特有の感情に満ちたメロディを聴かせつつも、一部のパートではWLA期のMAYHEMに通じるような冷徹さすら感じるような気がします。

また、プロダクション、楽曲の両面でRawブラックの感性が強いのも特徴。生々しさを残した、乾いたドラムの音が実に耳に心地良い。オールドスクールに疾走するパートや、ツーバスで弾幕を張るようなパートとかホント気持ちいい。繊細なメロディを聴かせるパートとの対比もあって、上手くメリハリの付いた展開になっているように思います。

そしてヴォーカルの素晴らしき絶叫っぷりも特筆したいところ。この手で裏声ベースだと、どうしてもふなっしー的な滑稽さが漂ってしまいがちですが、このヴォーカルはホイッスルをベースに、思いっきり歪ませたような悲痛絶叫。マジで頭を抱えながら、血の涙を流して叫んでいそうな絶叫ですよ…。ALCESTのNeige並みの悲痛さと言っても過言ではないと思う。

流石に聴く時期としては遅きに失した感じですけど(笑)、やはりこれは話題になるだけあって良い作品ですね。ポストブラックの儚さだけでなく、本来的なブラックメタルとしての旨みも感じられる点が特に素晴らしい。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-05-13 22:10:57)