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SúL AD ASTRAL
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解説 - SúL AD ASTRAL
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-05-29 10:20:28)

2013年発表の1st。

ブラックの本来持つ邪悪さや悪魔崇拝的ムードではなく、トレモロリフの繊細な響きや、ギターリフのオブスキュアさを醸し出す歪んだ音色、ファストなリズムのもたらす酩酊感などの「様式」を借り、神秘的で非日常的な世界観を描き出す、いわゆるポスト/シューゲイザー・ブラックな作風ですが…この手のバンドの中でも、ブラックの様式を非日常感や儚さといった要素に上手く結び付けられているのではないでしょうか。

特に素晴らしいと思ったのは、トレモロリフの音色ですね。高音域でキリキリ言わせるような音色を多用しているんですが、これが意識の底に響いてくる鈴の音のような、何とも言えない幻惑的で神秘的で、非日常感に満ちた雰囲気を醸し出していて素晴らしいんですよね。こっちは邪悪さとか全く意識していないと思いますが、日常からの乖離の度合いはLUNAR AURORAの傑作「Andacht」アルバムにも匹敵するかもしれません。

そのトレモロが、普通の音域でのトレモロとハモらせたり、曇った音色のリフと合わせたりなど、様々なパターンで使われ、楽曲の主軸として使われているような曲作りも素晴らしいです。楽曲自体が、ブラストビートを多用していたり、ヴォーカルも必死な感じの絶叫中心だったり、脱ブラックし過ぎていないのも良いです。ただクリーンヴォーカル、2曲目は溜息を付く様なアンニュイな感じで良かったのに、8曲目ではなんか妙に元気になってしまってるのがちょっと残念。

これはポスト/シューゲイザー系列のブラックの中でも、リスナーを自身の世界観に没入させる力の強い作品だと思います。トレモロフェチな方、幻想的な世界観が好きな方は買って損はしません。



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