初のライブ・アルバム。バンドの演奏も高音質+程よい音圧で迫力満点。Su-Metalの声ももはやプロの歌手やメタルシンガーと引けをとらないレベルに達していて、圧巻の歌唱力を見せつけてる。特に「いいね!」以降の曲から歌のパワーが増している。ボーナス・トラックのRoad of Resistanceはドラゴンフォースのギター2人が参加していて、彼女たちの曲の中で恐らく一番アイドル要素が少ない正統派高速パワー・メタルを聴かせてくれる。
DIR EN GREYはアルバムによってどんどん進化するが、このアルバムも例外ではない。一部の人は「原点回帰」とか「宗教色が消えた」などと言ってるが、個人的にこのアルバムは前2作(Uroboros, Dum Spiro Spero)と一括りにできるものだと思う。Uroborosがどこか中東的な雰囲気があって、Dum~がどこか和風な雰囲気があったのに対し、今作はどこか西洋風・キリスト教風な雰囲気があると思う。特に鱗、濤声、空谷の跫音、Behind a Vacant Imageなどにそれを強く感じる。確かに京のファルセットやクリーンが増えているが、それが逆にアルバムの世界観を不気味に引き立てている。また、ちゃんとThe Inferno、Revelation of Mankind、鱗などの激しい曲もある。
Uroboros、Dum Spiro Spero、ArcheをDIR EN GREYの宗教三部作として堂々と人に勧めたい。