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Contradiction (Usher-to-the-ETHER)


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Contradiction

若干のアヴァンギャルドさを含むカルトブラックで、古代カルトの儀式をそのまま音に封じ込めたかのような神秘性は中々のもの。
ドゥーミーなパートとどすの利いたマントラの様なヴォーカルを主軸に据えることにより、攻撃性やストレートな邪悪さを敢えて抑えているが、それが神秘性をより引き立てている。
感性と理性を同時に融解させ、教義を叩き込まれる感触。
9曲84分と長めかつ個々のパートの冗長さもなくはないが、カルトブラックとして及第点以上のアルバムである。

気に入り度…9/10

おすすめ…Contradiction

netal ★★ (2017-07-01 23:37:33)


Contradiction

2014年発表の2nd。
TRYPTICONやSECRETS OF THE MOONのメンバーがゲスト参加している、新進気鋭のバンドとしては何気に豪華な作品。

神秘的な雰囲気を発しているジャケットと、前衛的な要素も含むブラックという触れ込みから、単純な邪悪さだけではない、スピリチュアルで形而上学的な領域に踏み込んだどす黒さの音を聴かせてくれる事を期待していたんですが、概ね期待通りですね。厚みのあるプロダクション、ドゥーミーで凄みの聴いたスローパートに重きを置いた展開、不協的で精神をダイレクトに汚染するような、どす黒く有機的なリフ、厳かに呪言を紡ぐようなヴォーカルが、蠢き侵食するような暗黒性を演出する、深遠な雰囲気のあるブラックメタル。

楽曲に取り入れられた前衛要素が悉く邪悪さに直結しているのも特徴で、スラッジに通じる音響処理が施されたリフであったり、宗教的なトーンを帯びた霊的なクリーンヴォーカルなんかはその典型ですね。1曲目のみですが、この手としては珍しくスパニッシュなアコースティックギターが用いられていますが、そんなアレンジでさえ何か禁忌の扉が開かれる前兆のように聞こえ、全編を通じて「黒い」ムードに覆われているのが感じられます。

ただ、こういうスピリチュアルで形而上学的なレベルの邪悪さを感じさせるバンドとして、真っ先に上がるのがDEATHSPELL OMEGAですが…DSOと比べると若干勿体を付け過ぎな風にも思えるんですよね。DSOで例えると「Kenose」のイントロ部分とか、「Fas」の静的な部分がやたら長い感じ。そもそもCDを二枚組にした上で、取り出しにくい紙ジャケットに放り込んだ時点で勿体付けすぎで鼻に付くし。ラストの曲をもう少し展開短くして、一枚に収めた上で取り出しやすい普通のケースに入れてくれたら、星3つ付けてたんですが。

とは言っても、神秘性や精神性を感じられるまでに邪悪さが濃いパートに関しては、DEATHSPELL OMEGAに肉薄する魅力があるように思うんですよね。DSOを始め、INFANDOUSやFYRNASK、NOVAE MILITIAEなど、精神を侵すようなどす黒さを演出しているバンドが好みであればお勧めです。せめて装丁が普通であれば…ホントこういうCDに傷が付く系の仕様嫌いだわ。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2014-07-29 21:58:42)