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東野圭吾
マスカレード・ホテル
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マスカレード・ホテル
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1.
Usher-to-the-ETHER
★★★
(2014-08-07 22:17:32)
2011年にハードカバーで発売された小説。
2014年に文庫版も発売。
実は以前ハードカバーを読んでましたが…もうすぐ関連作品「マスカレード・イブ」が発売される事もあって、予習の意味も兼ねて文庫版も購入・読破しましたが、やはり面白いですよね。東野さんの作品って、作品の質が凄く安定しているというか、どれをハードカバーの新品で買ったとしてもお値段以上に楽しめた感があるのが素晴らしいと思う。そんな東野さんの近年の作品の中でも面白い小説だと思います。
ホテルのフロントマンに扮して潜入捜査をする刑事である新田浩介と、彼の教育係的な立場であるホテルのスタッフの山岸尚美という、立場の異なる二人が主人公なんですが、この主人公の立場の違いが作品をより面白いものにしてると思う。職業意識の違いゆえに擦れ違ったり、歩み寄ったりしながら成長していく様は、サスペンス・ミステリーな色の強い作品に、ある意味ビルドゥングスロマン的な側面を与えてるように思います。それをエンタメらしい爽やかさで読ませてくれるのが素晴らしい。
まあ、最初は客を威圧してたくせに、何日かで外見上分からないくらいホテルマンの業務をこなし、悪意のある客にすらバレない新田は余りにも優秀過ぎる気もしますし、彼の潜入中に偶然彼とかつて因縁のあった相手がホテルを訪れ、その男の行動が事件のヒントとなる展開なんかは若干ご都合主義に感じなくもないですが…変にリアリティを追求するよりも、魅力的なキャラ、ドラマティックな展開を重視している感じで、エンタメとしては大正解だと思います。個人的には、事件が佳境に入ってからのスリリングな部分も好きですが、それ以上に前半の色々な客に対応する部分が好きですね。それを通じて主人公二人のキャラを浮き彫りにする辺りホント上手いと思う。
東野圭吾さんの作品はどれを読んでもそう損だと思うことはないと思いますが、近年文庫で出た中ではこれがお勧め。相変わらずしっかりエンタメしてて素晴らしいんです。
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