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1. Usher-to-the-ETHER ★★ (2014-08-16 21:40:20)

2010年発表の2nd。

元はWHIRLINGのJododen氏による独りアコースティック・プロジェクトとしてスタートしたらしいですが、ここで聴けるのは北欧産らしい叙情的なトレモロリフを多用した、メロディアスでかつドラマティックなブラックメタル。中世的なメロディの使い方を始め、フレーズの端々にメロディック・ブラックの名盤であるSATYRICONの「Nemesis Divina」アルバムからの影響を感じ取れるのは気のせいでしょうか。

この作品がNemesis Divina」を始めとしたメロブラと異なるのは、ポストブラック的な側面もかなり強い事ですね。アルペジオにうっすらとトレモロの残響を重ね、美しくも現実から遊離したような感覚を味合わせるパートなんて、殆どシューゲイザー路線のブラックを聴いているかのよう。ただし、ブラック本来の凶悪さもしっかり根付いており、メロディック・ブラックの魅力をスポイルしてまでこれらの要素を取り入れている訳ではないのが嬉しい所。

メンバーが関与したバンドを見てみると、KAOS SCRAMENTUMやGRIFTTESKYMFNINGなどの如何にもな北欧ブラックの王道を行くようなバンドや、BERGRAVENやDE ARMA、WHIRLINGなどのポスト色強いバンドが並んでますが、これらの関連バンドから割と想像しやすい音なんじゃないかと思います。王道なブラックとポスト要素を上手く両立させた好盤。



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