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Hymns to the Furies (Usher-to-the-ETHER)


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Hymns to the Furies

2010年発表の1st。

オーストリアの女性ブラックメタラー、Witch氏による独りブラック。今でこそ女性のブラックメタラーも珍しくないですけど、流石にこういう独りブラックは珍しいですよね。ブックレットの裏の猫の写真は彼女の飼い猫でしょうか。かなり可愛いです(笑)。…その下にトレンドへの反感を露わにした声明文を載せても、逆効果な気がしてしまいますが(苦笑)。

ブックレットの猫は可愛いですけど、やってる音楽は可愛さの欠片もない邪悪なブラック。ギターの残響音が渦巻き不気味な霊場を形成しつつ、霊性が垂れ流されるようなメロディと老婆魔女の囁きのようなヴォーカルが不気味さを更に増幅させる、オカルトめいた雰囲気漂う音。一応バンドサウンドの体ではありますが、感覚としてはアンビエント系のブラックに近い印象で、このカルトな音像の中にあっては鳴りの悪い、打ち込みっぽいドラムの音もむしろ味と言えるでしょう。

…プリミティブブラックや鬱ブラックって、一般的なメタルの価値観からはかなり離れたところに魅力があるジャンルと言えますが、この作品は更に一般メタルから遠ざかった価値観で作られているという感じがします。ブルータリティやテクニックを求めるのは全くお門違いな音ですが、オカルトめいた雰囲気を味わうにはかなり良い作品ではないでしょうか。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2014-08-23 23:02:05)