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Those Who Come with the Rain (Usher-to-the-ETHER)


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Those Who Come with the Rain

2013年発表の2nd。

ミディアムテンポを中心に、ブラック特有のノイジーなギターリフと、アトモスフェリックなキーボードを融け合わせ、アンビエントな雰囲気を演出するブラックメタルで、手法としては昨今珍しくもないんですが…音の持つ重層感や、それによって演出される瞑想的で破滅的なムードなどは、似たような系統のバンドの中でも頭一つ抜けているのではないでしょうか。

このバンド、とにかく音による雰囲気作りが上手いです。まるでピアノの低音鍵盤をまとめてガーンと叩いた時の、あの腹に来るダークな響きの音を、引き伸ばしてバンドサウンドに絡めたかのような、音響に質量感が感じられるプロダクション。この音が、楽曲のネガティビティや神秘性に、強烈な説得力を持たせていて素晴らしいんですよね。ただ、音に膨らみがありすぎて若干音割れしているようにも聞こえますが…これはうちのスピーカーが悪いのかも(笑)。

アンビエントブラックってセンスや技量が足りないと、聴き手と情景を共有するところまで辿り着けなかったりするものですが、この作品はそんな凡庸なバンドとは一線を画してると確実に言えますね。優れたアンビエントブラック特有の、作品の世界観に取り込まれていくような感覚を味わえる一枚。これは是非ネットのストリーミングの試聴とかじゃなくて、しっかりCD音源で味わって欲しいです。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-09-08 20:03:38)