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1. Usher-to-the-ETHER (2014-10-19 10:57:31)

2012年発表の音源集。

93年のEP「New Order」、96年の1stフル「Corpse Crater」、同年のデモ「Jinx」を収録したコンピレーション盤。バンドは「Jinx」デモ発表後は活動していなかったようですが、New Era Productionsもよくもまあこんなマニアックな音源を見つけてきましたね…。作品中でブラックメタルを演ってるのは「New Order」部分のみですが…93年といえば、MYSTICUMが結成された年。そんな時期のオランダで、MYSTICUMを更にマニアックにしたようなインダストリアル・ブラックを演っていたというのが驚き。

冷徹さを感じさせるマシンドラムに、蚊の泣くような、薄い音ながら確実に聴き手に耳障りさを感じさせるノイジーなギター、ギターの代わりにメロディを担うような、強調されたベースライン…これらが合わさると、非常に閉塞感の強い、不気味なムードが展開されてるんですよね。ヴォーカルもウィスパーと痰を吐くような声を混ぜたようなスタイルで、しょぼいギターの音色と(ある意味)見事に合致。面白いしカルトではあるけど…これに付いていける人は少ないのでは…(笑)。

ちなみに作品の大半を占める、残りの音源はやたら殺伐としたアンビエント/エレクトロニカ路線。ブラックから離れても、カルトでマニアックな雰囲気は変わりません。厚みのあるシンセが前に出る部分も多く、ある程度メロディアスではありますが…こちらもブラックパート以上に聴き手を選びそう。まあBEHERITが一時期演ってたエレクトロニカよりは大分分かりやすいですけど(笑)。

これ、音楽自体を底から楽しめるかは別として、この時期にこの場所で、こんな面白いことを演っていたブラックメタルバンドがいた、という資料的な興味深さはありますよね。正直マニアック過ぎて私も付いていけない感じですけど…(苦笑)。



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